「アップル幹部は法廷に出てこい」という裁判所の警告が効いた模様
『フォートナイト』米App Storeに5年ぶり復帰。アップルが急遽方針転換

Epic Gamesの人気ゲーム『Fortnite』が、アップルによるアプリ申請の承認を受け、米App Storeで再び配信されることとなった。これは2020年にEpicがApp Storeポリシーに違反したとして配信停止されて以来、実に5年ぶりの復帰となる。
Epicは、アップルとのアプリ内購入手数料をめぐる訴訟において事実上の勝訴を収めた後、iOS版Fortniteを米App Storeに再提出した。本バージョンには自社ストアを経由する外部決済リンクも備えられているが、これは改訂されたApp Storeポリシーに準拠したものである。同様のアップデート版はSpotifyやAmazonも提出しており、すでに米App Storeで配信が開始されている。
しかし、アップルはこの判決に対して控訴しており、「控訴審の決着がつくまでFortniteの再審査は行わない」とEpicに通知。実際にEpicが再申請を行ったあとも、通常24時間以内に終わる審査が5日以上も放置され、アップルは受理も拒否もしない状態を続けていた。
Epicはこれを判決違反と主張し、裁判所に対しアップルへの強制執行を求める新たな申し立てを行った。さらに担当のイボンヌ・ゴンザレス・ロジャース判事は、アップルに対し「控訴審の判断が出ていない以上、現行の判決に従うべきであり、Fortniteの復帰を妨げる理由を法廷で説明せよ」と命じた。
それに加え、アップルがEpicとの合意に至らない場合、「コンプライアンスを確保する責任を個人的に負うアップル幹部」(フィル・シラー氏など)を5月27日の公聴会に出席させるとの通告がなされた。この圧力のもと、アップルは方針を急きょ転換し、Fortniteの米App Store復帰を承認したしだいだ。
現在、Fortniteは米国ではApp Storeから、EUではEpic Gamesの代替アプリストアから配信中である。それ以外の国のApp Storeでは、依然として配信されていない。米国版のFortniteでは、アプリ内通貨購入のためにEpic Games公式サイトへのリンクが設けられている。
もっとも、アップルは外部決済リンクに関する判決を不服として控訴中であり、もしも判決が覆ればApp Storeポリシーは元に戻される可能性が高い。その場合、大手アプリ提供企業も再対応を迫られることになる。
- Source: MacRumors