アップルが前言を撤回した過去もあり

ステージマネージャ、M1非搭載でも使用可能にするオプションがiPadOS 16ベータで発見

Image:Apple

次期iPadOS 16の新機能である「ステージマネージャ」は、複数のウィンドウを重ね合わせたりサイズを変更でき、まさに「iPadをPCに近づける」ものとして注目を集めている。

この機能はアップル公式にはM1チップ搭載iPad専用とされているが、動作に必須の条件とされている「仮想メモリスワップ」がM1搭載の第5世代iPad Air(64GB)では使えない。そのため、実は非M1 iPadでも使えるはずが、アップルがあえて(M1ブランドの価値を高めるなどの理由で)封じたのではないか?との疑惑を呼んでいる。

そんななか、iPadOS 16ベータ版を解析した結果、古いiPadでもステージマネージャを使えるようにする内部モードが見つかったと報告されている。

米9to5Macによると、コードは「Legacy Devices」(古いデバイス)に対して「Chamois」(ステージマネージャのコードネーム)を有効にする内部設定に言及しているという。つまり、iPadOS 16を搭載したM1非搭載のiPad全てで本機能を使えるようにするわけだ。

これは、アップルのソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長であるクレイグ・フェデリギ氏の発言とも符合している。フェデリギ氏は、本機能がM1チップを必須とする判断を下す前に、非M1 iPadでも初期テストを行ったと明かしていた

この内部モードの存在は、古いiPadでもステージマネージャが快適に動くことを意味するわけではない。だが、iPadOS 16最初のベータ版に残されていたことは、アップルのエンジニアがまだ非M1 iPadの一部で本機能をテストしている可能性を示しているはずだ。

またアップルの幹部は、ステージマネージャが滑らかなアニメーションと美しい影を実現するために、非常に高いハードウェア要件になると主張していた。一方で本機能はmacOS Venturaにも提供されており、2017年製の古いインテルMacでも利用できることから、やはり疑いの目が向けられている。

今後iPadOS 16でのステージマネージャについて、必須要件が見直されるかどうかは、記事執筆時点では不明だ。しかし、昨年macOS Montereyが発表された当時はM1 Mac専用とされていた「テキスト認識表示」が、後にインテルMacでも使えるようになった前例がある。ともあれ、続報を待ちたいところだ。

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