Mac miniとは方向性が違う製品
マイクロソフト「Microsoft 365 Link」発表。クラウドベースのWindows環境に特化したミニPCデバイス
マイクロソフトは、シカゴで開催されたIgnite 2024イベントで「Microsoft 365 Link」と称するミニPCを発表した。ミニPCと記しているが、このデバイスはローカルでプログラムを実行するのではなく、遠隔のMicrosoftクラウド内にあるデスクトップ環境にリモートからアクセスし、画面表示とマウスやキーボードによる操作を処理する。
本体には4Kモニター出力×2、USB端子×4(USB-A×3、USB-C×1)、3.5mmヘッドホン、有線LANなど、通常のPCと同様の入出力端子が多数搭載され、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3といったワイヤレス通信機能も備えている。
Microsoft 365 Linkは、古い呼び方で言えばシンクライアント端末の一種だ。同種のデバイスとしてはDellのOptiplex 3000シリーズなどがある。Dellの端末が約300ドルで販売されていることを考えると、Microsoft 365 Linkの約350ドルという価格は微妙に高く感じられるかもしれない。
またこのデバイスを利用するにはクラウドベースのWindows環境である「Windows 365」サービスが必要だ。このサービスでは、ビジネス用として必要十分な2 vCPUに4GB RAMと64GBのストレージを組み合わせた仮想PC環境が、1ユーザーあたり月額32ドルで提供されている。もし、高いパフォーマンスが必要ならば、たとえば16 vCPUと64GB RAM、1TBストレージといった構成も選択が可能だが、この場合は月額使用料が約320ドルにも膨れ上がるだろう。
マイクロソフトによると、Microsoft 365 Linkは電力消費量が少なく、環境への取り組みを強化することも念頭に置いて設計されているとのことで。同社いわく「Windows 365 に接続する外部モニターや周辺機器を使用するユーザー向けのほとんどのデスクトップマシン」よりも低消費電力で動作するという。
このデバイスは本日より、日本を含む数か国でプレビュー版として提供を開始している。通常発売は2025年4月の予定だ。一般販売企業のIT管理責任者の立場で、社内のクライアントPCのセキュリティを一元的に管理したいと考えるようなニーズを抱えているのなら、このデバイスの導入を検討してみても良いかもしれない。
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