リポスト数は238%増加
マスク氏がトランプ支持を表明後、Xがアルゴリズムを「微調整」して閲覧数ブーストした可能性
先日の米大統領選挙では共和党候補のトランプ前大統領が圧勝し、巨額の資金援助をした実業家のイーロン・マスク氏が「政府効率化省」(DOGE:Department of Government Efficiency)」を率いることになると発表済みだ。
そんななか、マスク氏が所有するX(旧Twitter)では、同氏がトランプ氏の選挙キャンペーンへの支持を表明した頃から、本人や他の共和党寄りユーザーを後押しするため、アルゴリズムが微調整された可能性があるとの研究結果が発表された。
これは、クイーンズランド工科大学(略称QUT)のティモシー・グラハム准教授とモナシュ大学のマーク・アンドレジェビック氏らが分析したものだ。それによれば、マスク氏の投稿の閲覧数は、トランプ支持を表明した7月13日以降で138%、リポスト数は238%増えているという。
マスク氏の数値は「プラットフォーム全体で観察された一般的なエンゲージメントの傾向を上回る」と結論である。なお、Xがマスク氏のアカウントを優遇し、閲覧数を増えやすくしているとの調査結果は、今回が初めてのことではない。
また論文では、他の共和党寄りのアカウントでも、7月以降にマスク氏ほどではないにせよ、同様のブーストが確認できたとのことだ。
今回の研究結果は、最近The Wall Street JournalやThe Washington Postが報じた、Xのアルゴリズムに右派バイアスが潜在するとの調査結果とも近い。だが、研究者らはXがAcademic APIへのアクセスを制限したため「収集できるデータ量が比較的少なかった」ことや、「投稿の100%が収集されたという保証はない」との但し書きも付け加えている。
かつてマスク氏は、自身の投稿閲覧数が激減したと怒り、トップエンジニアを解雇したとの報道もあった。
- Source: QUT study(Google Docs)
- via: The Verge