中国限定モデルとして折りたたみiPhoneはアリ?

折りたたみiPhoneの試作機は存在、ただし“画面の折り目”は未解決か

Image:ra2 studio/Shutterstock.com

アップルが折りたたみiPhoneの開発に取り組んでいることは、複数の識者やサプライチェーン情報筋が伝えてきたことだ。しかし、同社は折りたたみ式のiPadやMacBookを先に投入し、市場の反応を確認してから折りたたみiPhoneの発売時期を検討するとの見方もある。

そんななか、すでに折りたたみiPhoneのプロトタイプは存在しているが、画面の折り目は残ったままだと著名ジャーナリストが主張している。

アップルの社内情報に精通するBloombergのMark Gurman記者はX(旧Twitter)にて、折りたたみスマートフォンは「アップルがほとんど無視してきた分野だ」と言及。その上で「彼らは、当然のことながら望んでいない折り目の付いたプロトタイプを持っている」と述べている。

折りたたみiPhoneの開発が始まったのは、2016年に遡るとの説もある。サムスンが初代「Galaxy Fold」を発売した3年も前であり、足かけ8年に渡ることになる。また、2020年には同社がサムスンに折りたたみディスプレイのサンプル提供を求めたとの報道もあった

ここまで開発が長引いているのは、アップルが許容できない(他社よりも基準の厳しい)欠点がいくつかあるためだと見られている。その1つが、ディスプレイの折り目である。今年2月にも韓国メディアAlpha Bizが「厳しい要求水準」を満たせないパーツがあり、折り目をなくすことに苦戦していると示唆していた

The Informationは、アップルが開発しているのはタテ折りのクラムシェル型だと報じていた。試作機には2種類のサイズがあるものの、最終製品が同社のデザイン基準を満たせない場合は、プロジェクトは中止される可能性があるとのことだった。

すでにサムスンは折りたたみスマホを投入してから6世代を重ねているが、完全に画面の折り目をなくせてはいない。最高の技術をGalaxy Z Fold6/Flip6に投入しているはずだが、同社からディスプレイの供給を受けるアップルとしては、まだまだ自社の基準をクリアしていないのだろう。

それでも、いまだに折りたたみiPhoneを発売できていない事実は変わりない。Gurman氏は「アップルがこれほど多くの新興分野で賭けに出たり、おくれを取ったりすることは希だ」と指摘している。

そうして完璧を期しているアップルも、主要市場の1つである中国でiPhone販売が苦戦していることを受けて、発売を(2027年との予想から)2026年に前倒しするかもしれないとの報道もあった

一般的に折りたたみスマホは高価になりやすいが、先日ファーウェイが現地で発売した三つ折りの「Mate XT」は1万9999元(約40万円)でも予約が殺到している。中国限定のプレミアム製品として、折りたたみiPhoneはあり得るのかもしれない。

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