ただし3交替勤務あり
テスラ、ヒト型ロボットを訓練するためのモーション担当者を募集
テスラが、EVの組み立て作業から小さな子どものお守りまでをこなすというヒューマノイドロボット「Optimus」の動作を訓練するためのモーション担当者(データ収集オペレーター)を募集している。
同社の求人情報における職種紹介にはOptumusのモーション担当者としての仕事が記されているが、その内容には「データ収集のために、事前に決められたテストルートを毎日歩く」ことや、モーションキャプチャー用スーツとVRヘッドセットを着用して「プロジェクトの要件に基づきあらかじめ指定された動きや動作をおこなうこと」などが求められている。
そして、キャプチャーしたモーションデータをサーバーにアップロードし、その観察結果についてのレポートを提出するとともに、必要に応じてデバッグ作業もこなす必要があるとされている。
求人に応募するには、まず体格的な要件として、身長が「約174cmから180cmの間」とされている。さらに「1日7時間以上、約1.5kgの荷物を背負って歩けること」との条件が記され「一日中、立ち、座り、歩く、かがむ、曲げる、手を伸ばす、しゃがむ、ひねることができなければならない」とのことだ。
この手の求人として珍しいのは、勤務時間が 午前8時〜午後4時30分と、午後4時〜午前0時30分、そして午前0時〜午前8時の3交替シフト制になっているところだ。
シフト勤務そのものは、24時間稼働している工場では珍しいことではないが、ロボットのモーションをキャプチャーする作業をシフト制でやるというのは珍しいのではないだろうか。Business Insiderによれば、テスラは過去1年、この職種に50人以上を採用しているというのだから、汎用のヒト型ロボットとして使えるようにするには、相当量のモーションを取得し、ロボットの動作に落とし込む必要があるのだろう。
業務内容には「最大24%の出張と日常的な地域での運転作業」というのもあるが、ロボットに自動車の運転方法を教えるのか、自らが自動車を運転して移動する必要があるからなのかは定かではない。
なお、賃金は「時給25.25ドル~48.00ドル(約3700円~7100円)で、現金および株式による報酬+福利厚生」となっており、週末勤務や残業が 「必要に応じて」発生する可能性があるとのことだ。
ちなみに、最近はモダンな汎用ヒューマノイドとしては、OpenAIと提携するFigureが、コーヒーメーカーを操作するなどの高度な自律動作が可能であるところを披露している。
これに対しテスラのイーロン・マスクCEOが公開した動画では、Optimus(Gen 2)がロボットには難しいとされる衣類を畳む作業をこなす様子が収録されていた。ただ、その映像にはオペレーターとみられる人の手が見切れており、自律動作ではなくマスタースレーブ方式による動作であることがバレてしまっていた。
Figureは最近、新型であるFigure 02を発表したばかりだ。さらに、中国Unitreeは、ヒト型でありながら人間の関節可動域を無視したキモい起き上がりモーションや、中国雑技団もびっくりの軟体パフォーマンスをこなすUnitree G1を量産に向けて開発中だ。
そして、Boston Dynamicsは油圧式で開発してきたAtlasを、次世代機では上記ヒューマノイドと同じ電動式に切り替えることを今年4月に発表した。これらの動きにより、テスラのOptimusは注目を集めにくくなっている。
今回の求人によってテスラがOptimusの開発を促進し、汎用ヒューマノイドとしての能力を大きく引き上げて、他社に負けない製品にすることができるのか、見守って行きたいところだ。
- Source: Tesla
- via: Business Insider Gizmodo The Verge