学習には10時間を要した

【動画】人を観察して学習するヒト型ロボット、コーヒーの淹れ方を一部習得

Image:Figure

AIロボティクス企業のFigureは、開発中のヒト型ロボット「Figure-01」が、人が作業をこなす様子を観察して学習したことで、その作業を習得できるようになったとX(Twitter)で発表した。

汎用のヒト型ロボット、すなわちヒューマノイドは現在、テスラをはじめいくつもの企業が開発を進めている。一方、トヨタ・リサーチ・インスティテュートが昨年秋にデモンストレーションを公開したLBM(Large Behavior Model:大規模行動モデル)は、アーム型の汎用ロボットの動作に生成AIを適用することで、プログラムコードを記述することなく、60以上のスキルを習得させることができるようになったと発表されている。

今回のFiruge-01では、これまで人がこなしてきた作業をロボットが同じように処理できるようになる、「観察学習機能」を持たせたヒューマノイドとして実用化が目指されている。

記事執筆時点でFigure-01は、まだ完全ではないようだが、すでにコーヒーメーカーを操作できるようにはなっている。紹介動画を見てみると、たしかにロボットがオペレーターからの言葉によるコマンドに応答して、コーヒーメーカーの蓋を開けてコーヒーのポッドを入れ、蓋を閉めてボタンを押し、カップに温かいコーヒーが注がれる様子が確認できる。

ただ、ロボットが学習したという動作は蓋を開け、ポッドを入れ、蓋を閉め、ボタンを押すという4つの動作だけであり、動画上ではコーヒーメーカーにカップをセットし、またコーヒーが入ったカップを取り出す動作は人が行っている。

それでも、これだけの動作を(10時間かかったとはいえ)観察するだけで習得したのなら大きなことと言えるだろう。またこの習得した動作は、同じシステム上で動作する他のロボットに転送することもできる。人で例えるなら、新入社員から1人のみにOJT教育を施せば、他全員がすでに同じことができるようになっているということだ。

さらに学習の範囲を広げていけば、いずれは棚からコーヒーメーカーをテーブルに移し、電源プラグを接続し、水を汲んできてタンクに入れるといった、今回はまだ習得していない一連の動作もこなせるようになっていくと思われる。

技能的に人と同じ動作を習得できるようになれば、たとえばバナナの皮をむくことや、ボトルのキャップを開け閉めするドライバーやレンチ、グラインダーといった工具を扱うことも、いずれ可能になっていくと考えられる。

Figureは当初、2023年末までにヒト型ロボット「Figure-01」を出荷したいとしていたが、記事執筆時点でそれは実現していない。ただ、ロボットが完成すればあとは学習させるだけとなるため、意外と何年もかからずとも人が担ってきた作業を代わってこなすロボットが実用化されるかもしれない。

特に工場のラインで同じ動作を繰り返すような仕事は、人には負担が大きいが、ロボットにとっては得意分野となる。なお、テスラのヒト型ロボット「Optimus」も、将来の市販を見据えつつ、まずは自社のEV工場での導入が計画されている。

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