Fire TV 4K対応は「ゲーム機は必要ない」メッセージ?

マイクロソフト、EU等で「Xbox Series X|S」販売中止? Xbox Game Passに注力か

Image:ALDECA studio/Shutterstock.com

マイクロソフトがEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)でのXboxゲーム機の販売を打ち切り、代わりに定額プランXbox Game Passやクラウドゲーム、PCおよびXboxコントローラーの販売のみに注力するとの噂が報じられている。

ちょうどXbox Cloud Gamingが安価なAmazon Fire TV Stick 4Kに対応した数日後に、Xbox Game Passの値上げが発表され、ゲームコミュニティに大きな波紋を広げている最中のことだ。

これはThe VergeのTom Warren氏が、自らのニュースレターで述べていることだ。Warren氏は、Game PassのFire TV 4K対応が「XboxゲームをプレイするのにXboxゲーム機は必要ない」という明確なメッセージだと述べている。

それ以前にもXbox独占タイトル初日リリースの多くはPC版にも提供されており、マイクロソフトはiPhone向けXboxゲームストアを準備中であることも明かしている。まさに「ゲーム機抜きのXboxブランド」が着々と地歩を築いているようだ。

またXbox向けソフト4本もPS5/Switchに移植する方針であり、Xboxゲーム機離れの傾向は明らかだろう。マイクロソフトがXbox部門の社員に対して「Xboxゲーム機生産は続ける」と約束したとの報道もあったが、それ自体が社内でゲーム機撤退の懸念が広がっていることの表れだろう。

Warren氏によると、マイクロソフトはEMEAの多くの国でXbox Series X|Sの販売に苦労しており、その結果、ヨーロッパに割り当てるゲーム機の在庫が少なくなる」とのリーク情報を受け取ったという。もっとも、完全に裏が取れているわけではないため、さらなる情報を探しているとも付け加えている。

Xboxゲーム機が苦戦を強いられている状況は、複数の情報源がたびたび伝えていた。ビデオゲーム市場調査会社のアナリストは、2024年第1四半期(1月~3月)にPS5がXbox Series X|Sの5倍売れたと見積もっていた

動きの激しいFPSやTPS(1人称/3人称視点シューティング)のネット対戦であればクラウドは厳しいが、1人で遊ぶRPGやシミュレーションであれば十分にプレイできる。Xbox体験を広いユーザー層に届けるという意味では、Xbox Game PassのFire TV 4K対応は大きな役割を果たすだろう。

一方でソニーがPS5タイトルのクラウドストリーミングをPS5以外に広げようとしないのは、1つにはPS5ゲーム機が順調に売れていること。もう1つは、Playstation独占タイトルをPS5版とは時差をつけてPC移植版を発売する戦略が、大成功を収めているためかもしれない。

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