Nintendo Switch後継機の価格にも影響?
TSMC、3nmチップ製造を最大10%値上げ?需要低迷の7nmは1割値下げか
世界最大手の半導体ファウンドリTSMCが、発注がさかんな3nmチップの製造を値上げするとの噂は、何度か伝えられてきた。その続報とともに、7nmチップ製造価格は大幅に引き下げると報じられている。
台湾メディアの経済日報によると、TSMCの3nmプロセスは2025年に5~10%の値上げが見込まれる一方で、7nmプロセスは需要の低迷により10%値下げするという。
おりからのAIブームの高まりを受けて、アップルのほかNVIDIAやハイエンドスマートフォン向けの需要が殺到し、TSMCの3nmプロセスが引く手あまたであることは先日もお伝えした。当時、値上げ幅は5%程度とみられていたが、それを上回る可能性が高まったようだ。
しかし、7nmプロセスの稼働率は低迷を極めているという。すでに昨年から外国人投資家らが問題視しており、TSMCのCEO兼社長の魏哲家氏は、当初は7nmをフル生産できると予想していたが、スマートフォン需要の劇的な減少と、特定の顧客による生産の遅れが予想外だったと認めていた。
かつてTSMCは2018年~2019年にかけて28nmプロセスの需要が低迷したことに苦しんだが、いくつかの特殊技術を開発することで難局を切り抜けていた。それと同じテコ入れを7nmでも行い、市場の関心を呼び起こすのかもしれない。
また、同社は日本国内に5つの工場建設を計画・検討しており、そのうち熊本の第2工場は6/7nmプロセスなどが想定されている。ソニーセミコンダクタソリューションズやトヨタも、デンソーも出資しており、そうした地域から復活を遂げる可能性もあるだろう。
またNintendo Switch後継機種の搭載プロセッサーも、TSMCが7nmプロセスで製造することもあり得るだろう。もともと任天堂は8nmチップを予定していたが、発売がずれ込んだことで7nmに移行したとの観測もある。
後継機向けチップはサムスンが製造を請け負うとみられているが、現行スイッチのTegra X1チップはTSMCの20nmプロセス製造であり、元のさやに収まる可能性は否定できない。
いずれにせよ7nm製造が値下がりしているなら、Nintendo Switch後継機種のコストにも反映され、価格が抑えられると期待したいところだ。