YouTube、サブスクが安い国を利用する越境Premiumユーザーを排除

YouTubeは最近、有料のPremiumプランを利用する複数のユーザーに対し、サブスクリプションを解除する措置をとった。解除されたユーザーらは、別に毎月の支払いを滞らせたわけはなかったが、自身の居住国ではなく、VPNを利用してPremiumサブスクリプション料金の安い国で契約を結んでいたことがわかっている。
YouTubeのPremiumプラン料金は、提供される国や地域に応じて異なっている。これはおそらく、現地の経済状況に合わせて良い塩梅の価格設定とすることで加入者数を最大化するためと考えられる。そのため米国では月額13.99ドルで提供されるPremiumプランを(同じ米ドルで比較すると)スイスでは約18ドル、日本では約8ドル(1280円)、ブラジルでは約5ドル、フィリピンでは約3ドル、アルゼンチンは約1ドルといった具合に差を付けて提供している。
通常ならば、米国や日本に住むユーザーがアルゼンチンのYouTubeのページからPremium契約を結ぶことはできない。しかし、VPN(Virtual Private Network)という仕組み・サービスを通じて現地IPアドレスからのアクセスを装えば、それが可能になるわけだ。
いったん契約ができてしまえば、それ以降はVPNなしでアクセスしてもYouTube Premiumコンテンツを視聴することができる(海外旅行中にもPremiumサービスを楽しめる)ので、VPNは実質的に最初の加入契約時のみ必要ということだ。
ところが現在は、このようにVPN経由で安価なPremiumを契約、使用しているユーザーは、いつ何時、アカウントをキャンセルされても仕方のない状況になっているようだ。
Redditに報告したあるユーザーは、YouTubeからPremiumサービス契約をキャンセルするという通知を受けた際、ユーザーが「(別の国に)引っ越したため」契約がキャンセルされたと伝えられたと述べた。このとき、YouTubeはユーザーがVPNを使ってPremiumを契約したことには言及していない。ただ、PCMagは、カスタマーサービス担当者が「契約した際に国情報を偽造したことが判明したアカウントのPremiumメンバーシップのキャンセルを開始した」と述べたと伝えている。カスタマー担当者の言葉はGoogle(YouTube)の正式な声明とは言えないものの、実際に取り締まり活動が始まったことは間違いなさそうだ。
YouTubeとユーザーの間では、広告ブロッカーを使用すると再生開始に著しく時間がかかったり、勝手に動画の最後までスキップされるなど、動画視聴におけるQoLが著しく低下する現象が発生することも、これまでに何度か報告されている。
- Source: Android Authority TechCrunch PCMag