かつてNVIDIAはセガに救われた過去があり
NVIDIA、外付けGPU市場の88%シェアを獲得。AMDは残り12%、インテルはゼロ
半導体大手NVIDIAの時価総額がアップルを抜き去り、世界2位の時価総額となったことは昨日もお伝えした通りだ。それがバブル景気ではないと裏付けるように、同社のGPU市場におけるシェアが88%に達し、AMDやインテルをまったく寄せ付けていないとの推計が発表された。
米マーケティング・コンサルタント企業JPR(Jon Peddie Research)は、最新のGPU AIB(Add-in Board)=外付けGPUカードの市場シェアレポートを発表。2024年第1四半期において、NVIDIAは市場シェアを前四半期から8%伸ばして88%を獲得している。
その余波を受けるごとく、AMDのシェアは前四半期から7%減の12%。インテルは、なんと0%まで押し下げられている。
NVIDIAはAIやデータセンター、クラウドからゲームまで、あらゆる分野でAIBエコシステムをリードし続けており、破竹の勢いが衰える気配は今のところない。
JPRによるとAIB出荷台数は前期比で7.9%減少しているものの、前年比では39.2%増加。季節性による落ち込みはあるが、長期的には右肩上がりとなっている。
そんななか、AMDの出荷台数は前期比でこそ41%減だが、前年比では39%増加。かたやインテルは、2022年後半に外付けGPU「Arc」を投入し、競合製品よりはるかに安い価格設定としているが、さほど牽引力になっていないようだ。
JPEは、2007年の不況以来、GPU市場がいかに「常軌」を逸しているように見えたかを語っている。暗号通貨ブームから新型コロナ禍に至るまで、あらゆる要因が通常のパターンを狂わせてきたという。
これまでのパターンであれば、2024年第2四半期はGPU市場が落ち込むはず。だが、AIサーバー需要が牽引する形で、逆に市場の成長が予想されている。結果として、ゲーミング向けGPU出荷台数は横ばいあるいは低水準となり、AIサーバー用GPUの出荷がさらに増加する可能性が高い。
その一方、米ハイテク大手は独自のAIチップ開発・投入を急いでいる。たとえば、アマゾンはLLMの訓練と実行に特化した「Trainium2」とクラウド向けプロセッサー「Graviton4」を、マイクロソフトも「Azure Maia 100 AI Accelerator」と「Azure Cobalt 100 CPU」を発表していた。NVIDIAの天下がいつまでも続くのか、各社の追撃が実を結ぶのか、注視したいところだ。
これは余談となるが、NVIDIAのジェンスン・ファンCEOは、同社がセガのドリームキャスト用チップを開発しようとして失敗。その苦境を当時のセガ社長・入交昭一郎氏に救われた過去を振り返っていたことがある。
- Source: Jon Peddie Research
- via: XDA Wccftech