何億もスマートスピーカーが普及しているのは強み
生成AI強化版Alexa、月額課金になる可能性。Amazon Primeとは別料金?
米Amazonは音声アシスタントサービス「Alexa」を、いち早く2014年に開始した先駆者だ。今やOpenAIが双方向の会話ができるチャットボットを提供する一方で、Alexaはキッチンタイマーや天気予報が主な使い道である。
そんななか、まもなく同社がAlexaのAI強化版を発表する予定だが、ユーザーには月額料金が掛かると米CNBCが報じている。
今回の記事によると、Amazonは2024年内に同社のTitan LLM(大規模言語モデル)に基づくAlexaの「AIオーバーホール」を計画しているという。このことは最近の株主書簡でも仄めかしており、「さらにインテリジェントで有能なAlexa」を構築するため生成AIを使うと述べていた。
が、AI強化版のAlexaは月額料金が掛かり、それはAmazon Primeサービスには含まれず、別料金になるとのこと。
生成AIの使用にはコンピューティングパワーを要するためコストが伴うが、AI版Alexaの場合はクエリ1回当たり2セントとの見積もりだ。社内では20ドルが検討される一方で、一ケタ(月額10ドル以下)に抑えるべきとの声もあるという。OpenAIのChatGPT有料版は月額20ドルであり、その半額である。
いくつもの生成AIサービスが相次いで登場しているが、それぞれに一長一短がある。GoogleのGeminiはChatGPTほど一般ユーザーの評判は高くないが、その料金は他のGoogle製品でも使える追加ストレージ込みである。そして生成AIでおくれを取るAmazonは、何億もの家庭にAlexaデバイスが普及している強みがある。
Amazonが生成AI版Alexaを有料制にする意向は、昨年秋に表明されていたことだ。そこでは「クラウド上のモデルの推論には相当なコストが掛かる」と述べて有料化に言及。が、まずAlexaが「注目に値する」存在になる必要があるとして、慎重な姿勢を見せていた。
また今年初めには、新サービス「Alexa Plus」が早ければ6月30日に登場する可能性があり、すでに何千人ものユーザーでテストしているとの報道もあった。ただし、回答は長すぎて不正確であることが多く、ハルシネーション(もっともらしい誤回答)を頻繁に行うため、社内ではローンチを遅らせようとする動きもあると伝えられていた。
- Source: CNBC
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