Alexa以外のサービス有料化は増えそう

Amazon、生成AI進化版Alexaは有料化の意向。ただし顧客が価値を認めてから

Image:ClassyPictures/Shutterstock.com

アマゾンは近い将来、音声アシスタント「Alexa」を有料制にしたい意向を明らかにした。ただし、顧客が利用料を支払ってでも使いたいと思うほどの価値を実現してから、という含みを持たせている。

同社は先週開催したイベントにて、大規模言語モデル(LLM)で強化した新しいAlexaを披露。その後、Bloombergはデバイスおよびサービス担当シニアバイスプレジデントのデイブ・リンプ氏に、AlexaのAI機能に課金を必要とする時代が来るかどうかを尋ねた。

それに対してリンプ氏は「はい、我々は固くそう考えている」と答えている。同様のことはイベント中にも軽く触れていたが、この取材ではより深く掘り下げている。

すでにAmazonは、今後数ヶ月のうちに新AI機能を米国でプレビュー開始すると予告している。その中には、たとえば好きなスポーツチームは何か? などAlexa自身に「意見」を表明させ、ディスカッションを交わす機能も含まれている。このプレビューにはEchoのハードウェア代金と、おそらくプライバシーの一部を渡す以外の費用はかからない。

しかし、リンプ氏は取材のなかで、Alexaを生成AIチャットボットに進化させる費用を強調している。以前Alexaと話し合った情報に基づき、友人に送るメールを自動生成できるような「クラウド上のモデルの推論には相当なコストがかかる」とのことだ。

リンプ氏は、Alexaを有料制にする時期を明言していないが「何十年も先の話ではない」とのこと。その前に、Alexaが「注目に値する」存在になる必要がある、と但し書きを付けている。またAlexaの利用料がAmazonプライム料金やハードウェア代金に組み込まれることはない、とのことだ。

そのリンプ氏は年内でAmazonを去り、ブルーオリジンのCEOに就任する。しかし、Amazonの広報担当者は、The Registerへの声明にて、リンプ氏の発言は会社としての目標だと裏付けている

その一方で、Amazonのデバイス部門はマネタイズに懸命のようだ。

先週、一挙に新しいハードウェア製品群を発表したのに加え、煙や一酸化炭素警報器の警報音、ガラスが割れる音などを検知する無料機能「Alexa Guard」(※日本では未提供)の廃止を顧客に通知。今後も利用するには、新たな有料サービス「Alexa Emergency Assist」に加入する必要がある。

さらに来年初めから、Prime Videoの番組や映画に広告を表示し始めることも発表。それと合わせて、広告なしとなる追加料金オプションも提供するという。まず米国、英国、ドイツ、カナダに導入するとのことで、記事執筆時点で日本への言及はない。

Alexaを含むデバイス事業は年間50億ドル以上の営業損失を出したこともあったと報じられており、人員削減の対象ともなっていた。Alexaに課金する前に、これまで無料だったサービスが次々と有料になっていくのかもしれない。

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