リスク回避のため、まずiPad/MacBookのハイブリッド?
アップルとサムスン、「折りたたみ式デバイスの開発」につき合意か
アップルが折りたたみデバイスを開発中であるとの観測は、何度となく報じられた来たことだ。そのパートナーが、サムスン・ディスプレイとなるのは半ば必然だろう。同社は折りたたみ可能な有機EL画面につき世界最高峰の製造技術を持っており、しかも歴代iPhoneの有機ELパネルを供給し続けているからだ。
そんなアップルとサムスンが「折りたたみ式デバイスの開発」につき合意したとの噂話が報じられている。
これを台湾の電子業界誌「DigiTimes」は、「サプライチェーンの憶測」や「業界筋」によるものと伝えている。具体的な情報源はどこかには言及していない。
サムスンが以前からアップルから折りたたみ式パネルの受注を得ようとしていることは、複数の情報源が伝えてきた。
たとえば2020年秋には、将来のiPhoneのために“大量の”折りたたみ式ディスプレイのサンプルを提供したとの噂もあった。また同社の幹部は折りたたみ式ディスプレイ市場が成功するにはアップルの参入が不可欠と発言した一方で、アップル折りたたみ製品のため社内チームを再編しているとの報道もあった。
つい先日、著名アナリストが「折りたたみiPhoneは2026年、折りたたみiPad/MacBookは2025年」だと主張したばかりだ。その際、前者は「7.9インチと8.3インチの2つを検討中」としていたのに対し、後者は20.3インチと確定的な数字を示していた。
つまり、折りたたみiPhoneはまだ初期段階の域を出ない可能性が高そうだ。なお、「2つのサイズを検討中」とは、独自の情報源に定評あるThe Informationも報じており、開発が進行中である可能性は高い。
アップルが折りたたみiPhone開発に慎重を期しているとの分析は、英市場調査会社も述べていた。製造コストの高さもさることながら、主力製品であるiPhoneに不具合が起きた場合、信頼に傷が付くリスクに見合わないというわけだ。
大型の折りたたみパネル供給元としては、サムスンのほかLGディスプレイの名前も挙がっていた。両社にとってアップルは最大手の顧客であり、製品発売に向け量産が本格化すれば、新型iPad Proがそうだったように、いずれ韓国サプライチェーン筋から続報が出てきそうだ。