飽和気味のスマホ向け有機EL市場、次はノートPC?

折りたたみMacBook、2026年発売か。アップルがLG等と交渉中の噂

Image:tinhkhuong/Shutterstock.com

アップルが折りたたみ式MacBookを開発中との噂は、長年にわたって何度か報じられてきた。昨年末から少し途絶えていたが、新たに「早ければ2026年に発売」とのサプライチェーン情報が伝えられている。

韓国のテック系ニュースサイトBusinessKoreaによると、アップルは画面が折りたたみできるMacBookを発売するためサプライヤー(サムスンディスプレイとLGディスプレイ)と交渉中であり、2025年の発売は見送ったものの2026年には発売する計画だという。

サムスンは2025年~2026年にかけて、第8.6世代の有機ELパネルを生産するため31億ドルの投資を決定。LGもタブレットPC用を含む中型有機ELパネル製造に投資しているとのことだ。

ちなみに、以前サムスンは有機EL版iPad Pro向けに第8.5世代パネルの製造ラインを構築していると報じられていた。厳密に世代の定義があるわけではないが、一般的に数字が大きくなるとパネルのサイズも大きくなる傾向がある。つまり、第8.6世代はタブレットよりも画面が広いノートPC向けというわけだ。

以前もサムスンは、アップルが折りたたみノートPC市場に乗り出すことに期待を掛けているとの報道があった。それは今回の記事でも共通しているが、なぜなら「大きな(画面)サイズの方が収益性が高くなる」からだという。ノートPC用の折りたたみ式有機ELパネルは、スマートフォンよりも収益性が高いとのことだ。

サムスン電子は有機ELディスプレイを搭載したノートPCを投入しているが、折りたたみ有機EL画面を搭載した製品はまだない。商標権を確保しただけで、様子見しているようだ。

折りたたみ式有機EL搭載ノートPCの最先端を走るのは、今のところASUSだ。2022年末に発売されたZenbook 17 Fold OLEDはディスプレイを広げれば17.3インチの大画面、折り曲げれば12.5型サイズになること以上に、65万円近い価格にインパクトがあった。それゆえ、しばらく大きな市場は望みにくいだろう。

それでも韓国企業、すなわちサムスンとLGともに「ノートPC向け折りたたみ式有機ELパネルの開発・生産計画を調整している」とのこと。両社とも、高価格となりやすい折りたたみ有機ELノートPCは自社では厳しいだけに、ブランド力のあるMacBookが市場を切り拓くことに期待を掛けているのかもしれない。

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