Xbox Cloudアプリにも莫大なアップル税が発生する可能性
マイクロソフト、アップルのアプリストア新方針を「間違った方向への一歩」と批判
先日アップルは欧州連合(EU)の規制を遵守するため、アプリストアに関する新たなプランを発表した。そのうち、代替アプリストアを利用する場合に課される「コア技術料」が基本無料アプリ開発者に莫大なコストを背負わせるとして、SpotifyやEpic Gamesから大きな反発を招いている。
それに続き、マイクロソフトもアップルの新方針を「間違った方向への一歩」だとの懸念を表明している。
同社のコーポレートバイスプレジデントとしてXbox部門も担当しているサラ・ボンド氏はXへの投稿で「建設的な対話が変化や、オープンなプラットフォームとより大きな競争に向けての前進を加速すると信じている」とした上で、アップルの新方針を批判した。
さらに「アップルが自ら提案した計画に対するフィードバックに耳を傾け、すべての人にとってよりインクルーシブな(排除的ではない)未来に向け努力することを願っている」と付け加えている。
ボンド氏はXboxプラットフォームとハードウェア全般を監督する責任者であり、ちょうど独自のXboxモバイルストア立ち上げ準備を進めているとみられる。この構想は2020年秋から判明しており、アクティビジョン・ブリザード買収がようやく完了したため、まもなく本格化する可能性が高い。
なぜアクティビジョン買収を待ったかと言えば、同社の『Call of Duty Mobile』や『キャンディークラッシュ』といった強力なタイトルに依存するためだ。これらがアップルやGoogleのモバイルゲームストアに対抗しうる切り札になるというわけだ。
ほか、アップルが提示した新プランは、iOSでのXbox Cloud Gamingアプリに大きな障害となる可能性がある。ようやくApp Storeのクラウドゲーミングに対する規制が緩和され、いくつものクラウド上のゲームをストリーミング可能な単一アプリを提供できるようになったことは、先日も報じたばかりだ。
しかし、マイクロソフトがXboxモバイルストアを開設してアプリ配信を始めれば、Xbox Cloud Gamingアプリは100万インストールを超えた1件ごとにコア技術料が課され、アップルに対して莫大な支払いが発生する可能性が高い。
そのためか、マイクロソフトのほかNvidiaやクラウドゲームプロバイダー各社は、アップルの制限緩和に反応していない。新方針に対して批判しか聞こえてこないなか、アップルがあくまで貫き通すのか、またEU規制当局がどう動くのか、今後に注視したいところだ。
- Source: BondSarahBond(X)
- via: The Verge