Googleはアップルとの競争のためと主張
Google、サムスンに1兆円以上支払う。スマホの検索エンジン「標準」守るため
米Googleが「業界標準」の座に大きなメリットを見いだしていることは、最近の裁判で次々と明るみとなっている。米司法省との反トラスト法(独禁法)訴訟でも、アップルのSafariブラウザにて標準検索エンジンの位置を守るため、検索広告収益の36%を支払っていることが暴かれていた。
それに続きEpic Gamesとの訴訟にて、Googleがサムスン端末で自社製の検索エンジンや音声アシスタント、Playストアを標準にするため、4年間で80億ドル(約1兆2000億円)を支払っていたことが分かった。
このEpic対Google訴訟は、Epicの人気ゲーム『Fortnite』がGoogle Playストアから削除された後に、Epicが提起したものだ。EpicはGoogleの30%もの手数料を不服としており、Google Playが独占状態にあるか否かが主な争点となっている。
さて、今回の件はGoogleのパートナーシップ担当VPであるジェームズ・コロトゥロス氏の証言で明らかになった。そこでは、いくつかのAndroid OEM各社と収益を分け合うことで、Google Playがプリインストールする取引をしたこと。さらにサムスン端末がGoogle Play収益の「半分以上」を占めていることまでも語られている。
また、サムスン端末につき上記の契約をする以前、Googleはサムスンの独自アプリストア「Galaxy Store」をホーム画面に置けないようにする計画を提案したものの、その後に断念したという。アップルのiOSと違い、もともとAndroidはサイドローディング(Google Play以外でのアプリダウンロードやインストール)が可能なため、阻止できなかったのだろう。
もっともGoogleはこれらの戦略を、アップルやiPhoneへの乗り換え希望者を抑止するため、Android体験を向上するためだと主張している。自社は市場を独占していない、厳しい競争があるというわけだ。
サムスン以外のパートナー(Android以外のOEMや携帯通信キャリアを含む)に対しても、Googleは検索やGoogle Play、その他の「重要なアプリ」を端末に留め続けるため、2020年に29億ドル、2023年には45億ドルもの支出を提案したという。これにはGoogle Playと検索広告での収益を分かち合うことも含まれる。
たとえば、中国OnePlusは対価として「純基本広告収入」の20%、「最適化された広告収入」の10%等を得ているとのこと。さらにGoogleアプリをプリインストールすることを義務づけられ、競合アプリを入れられない契約もあるという。
先日Googleは、これらの契約をもとに「1年内に6回以上のセキュリティアップデートを要求する」ことも可能になると主張していた。法廷がそれを独占と見なすのか、アップルとの競争のため必要と判断するのか、審理の行方に注目したいところだ。
- Source: Bloomberg
- via: 9to5Google