一方、Reality Labsは赤字を加速
Threadsの月間アクティブユーザーは1億弱。ザッカーバーグ氏“次の10億人アプリ”へ手応え
Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、第3四半期決算の発表でThreadsの月間アクティブユーザーが「1億人目前」に迫り、今後数年で10億人のユーザーに達する「可能性が高い」と述べた。
Threadsは7月に予定を前倒してサービスを開始し、当初は1週間で1億ユーザーを獲得する勢いを示した。しかし、サービスに提供されるべき機能がまだまだ準備不足状態だったこともあり、エンゲージメントはすぐに減少して期待外れに終わるかに思われた。
ただ、その後Metaがウェブ版の開始、投稿の検索機能、そしてサブスク不要の投稿後編集機能など新機能を少しずつ追加するに伴い、ユーザーは再びこのTwitter風SNSに戻りはじめ、最近の数週間でエンゲージメントがかなり回復した模様だ。
ザッカーバーグ氏は「われわれは現在、コミュニティをさらに成長させるようとする段階に来ている。われわれが知る限り、人々はこれまでのところこの製品を気に入っている」と自画自賛、「これまで、もう少し前向きな10億人向けのオープンな会話アプリが必要だと考えてきた」「あと数年も続ければ、そのビジョンを達成できる可能性は十分にある」とその手応えを述べた。
一方、Wall Street Journalは、Threadsがイーロン・マスク氏のX(Twitter)からパワーユーザーを獲得するのに成功したと伝えている。
ただ、Threadsは現在のところ、偽情報の削除を義務づけるデジタルサービス法(DSA)の懸念から、欧州でサービスを提供できていない。Threadsを運営するInstagramの責任者アダム・モセリ氏は「欧州へのサービス提供、フェディバースの進歩、Instagramとの連携の改善、そして今後数か月間のトレンドを実現できることを期待している」と述べている。
ザッカーバーグ氏はThreadsのほか生成AIにもフォーカスし続けると述べ、社内のAI以外のプロジェクトから人員を生成AI関連にシフトしていくと述べている。ただし、これらの新しい潮流が起こる前から注力しているAR / VRを活用したメタバースへの投資も継続するとザッカーバーグ氏は述べている。決算報告では、Reality Labs部門の収益は2.1億ドルに減少し、損失は37億ドルに膨れていると報告された。Metaのスーザン・リーCFOは、これらの損失が「AR / VR製品開発の努力とエコシステムをさらに拡大するための投資」によるものだと述べ「来年に向けてさらに損失が加速することが予想される」とした。