さらに8割値上げになるとの噂も
より薄くて軽い有機EL版「iPad Pro」、早ければ2024年半ばに登場か
アップルが有機ELディスプレイを搭載した新型iPad Proを開発中であることは、ほぼ確実視されている。が、発売時期については「2024年内」以上の予想はなかった。
そんななか、アップルが11インチと13インチの新型iPad Proを、2024年半ば~後半に発売する予定とのサプライチェーン情報が届けられている。
台湾の電子業界誌DigiTimesによれば、アップルは次世代iPad Proの11インチと13インチモデルに有機ELディスプレイ採用を決定し、すでにサプライチェーンパートナーはタッチパネルの生産能力を拡大し始めているという。
また両モデルには、フレキシブル素材とリジッド素材を組み合わせたハイブリッド有機ELパネルが搭載され、現行モデルよりも薄く軽いデザインになる可能性があるとのこと。こうした予想は、韓国メディアThe Elecが何度も報じてきたことだ。
現在、多くのスマートフォンで採用されるフレキシブル(折り曲げられる)有機ELパネルは、全画面デザインが実現しやすい一方で、ディスプレイの大型化に対応しにくい。製造プロセス中に熱で反ってしまう場合があるからだ。そのため、リジッド(折り曲げられない)パネルのようにガラス基板を使いつつ、フレキシブルパネルの薄膜封止技術を組み合わせるのがハイブリッド有機ELパネルである。
これまでの液晶ディスプレイ(ミニLEDバックライト方式を含む)と比べ、有機ELディスプレイは高コントラスト比、色精度の向上、消費電力の削減が可能となる。アップルは有機EL技術の採用を、まずApple Watch、次にフラッグシップiPhoneという風に「画面の小さいデバイスから大きい製品」へと広げてきたが、ようやくiPadの順番が回ってきたわけだ。
2017年以降に発売されたiPad ProモデルはProMotion技術に対応し、24Hz~120Hzの可変リフレッシュレートを実現している。有機ELパネルに切り替えれば、さらに10Hz以下に抑えて消費電力を低減できるだろう。The Elecは、新型モデルはiPhone 14 Proの常時表示(1Hz~)と同様のLTPO技術を搭載すると報じていた。
このほかDigiTimesは、アップルのサプライヤーが2024年半ばまでに、ミニLEDバックライトを搭載した現行iPad Proモデルの出荷を停止する可能性が高いと主張している。これまでのモデルは値下げして販売を続けるのではなく、生産終了となるのかもしれない。
次期iPad Proモデルについては、3nmプロセス製造の「M3」チップ搭載や、トラックパッドが大型化されてアルミ筐体を採用したMagic Keyboardの同時発売なども噂されている。
もっとも、有機EL化に伴うコスト増で最大8割値上げ、ハイエンドMacBook Proより高くなる可能性も浮上しており、価格も注視したいところだ。