iPadは有機EL化だけでもコストアップ

「iPhone 15 Pro」の極薄ベゼル技術、将来のiPadに導入予定か

Image:DenPhotos/Shutterstock.com

今年の「iPhone 15 Pro」モデルは、前モデルよりもベゼルが大幅に薄くなることを複数の情報源が伝えてきた。それはスマートフォン史上最も薄い1.5mmになると予想され、実際にビジュアル化した予想図も公開されている

大手メディアBloombergが、この極薄ベゼルには低圧射出オーバーモールディング(LIPO/Low Injection Pressure Overmolding)という技術が用いられており、いずれiPadにも導入される可能性があると報じている。

アップルの未発表製品に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号でPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxのベゼルが前モデルの2.2mmから1.5mmに縮小すると主張している。

iPhone 15 Proモデル用画面パネル製造にLIPOが使われることは、独自の情報源を持つニュースメディアThe Informationも報じていた。当時の記事ではLGディスプレイがアップルの基準を満たせないために製造が難航し、Proモデルが発売当初は深刻な品不足に陥ると主張。だが、その後にディスプレイ関連サプライチェーン専門調査会社DSCCが、問題は解決したとのレポートを発表している

今回のBloomberg報道によれば、アップル製品としてはApple Watch Series 7がLIPO技術を初採用したとのこと。「ベゼルをより薄くし、ディスプレイのサイズを大きくした」と述べられているが、実際アップルも「一段と広くなった画面領域と細くなった外枠により、これまでで最も大きく最も先進的なディスプレイ」だとアピールしていた

このLIPOは、最終的にはiPadにも導入する予定だとGurman氏は主張している。現在のフラグシップiPhoneは有機EL画面に対してiPadはすべて液晶ディスプレイだが、2024年にはiPad Proモデルが有機ELに移行するとみられており、同様の技術を採用するのは自然な展開だろう。

しかし、Gurman氏が「最終的」と言っていることから、早くとも2~3年先のこととも推測される。また有機EL搭載iPad Proはパネルコスト増により「大幅値上げ」の可能性もあるなか、さらにコストを押し上げかねないLIPOの導入にはアップルも慎重にならざるを得ないだろう。

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