折りたたみスマホ並の価格なら売れやすい?
アップルのAR/VRヘッドセット、第2世代は廉価/ハイエンドの2種類? 2025年発売か
アップルが長年かけて開発したAR/VRヘッドセットの初代製品は、6月の開発者会議WWDCでお披露目されることが有力視されている。約3000~4000ドル(約40万円~54万円)もの高価格になると予想され、出荷台数もかなり限られそうだ。
しかし、第2世代モデルではハイエンド版と安価なローエンド版が用意され、出荷台数は初代モデルの約10倍になると著名アナリストが予想している。
今年後半に登場するアップル初のAR/VRヘッドセットは、高性能・高価格だけに開発者やコンテンツクリエイター、プロフェッショナル向けの製品になる見通しだ。量産する上での問題が考えられるため、2023年内の出荷台数は20万台~30万台とも予想されている。アップルストア1店舗あたり、1日1台の限定販売になるとの報道もあった。
これほど高価になるのは、2枚の4KマイクロOLEDディスプレイやデュアルプロセッサー、12個のカメラモジュールなど、リッチなハードウェア仕様によるものだ。しかし、10年後にはiPhoneに取って代わる可能性もあるという製品を、いつまでも高嶺の花にしておくわけにはいかないだろう。そのため、アップルが第2世代以降では低解像度のレンズなど、より安価な部品を使うことで手頃な価格に抑えようと目論んでいるとは何度か伝えられてきた。
さて、アップルの未発表製品に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は自らのブログで、第2世代AR/MRヘッドセットはハイエンド版とローエンド版の2種類あり、どちらも2025年に量産に入ると予想。それらを合計した出荷台数は、初代の10倍程度になると述べている。
第2世代ヘッドセットが安価になる予想は、今年初めにBloombergとThe Informationが報じていたことだ。しかし、第2世代が廉価版とハイエンド版の2種類になるとの具体的な主張は、おそらくKuo氏が初めてだろう。
これはちょうど、毎年発表されるiPhoneが標準モデルと高価なProモデルの2層構造になっていることに似ている。高性能なProモデルでブランド力を確立しつつ、より安価な標準モデルで幅広いユーザー層を取り込もうとする戦略だろう。
すでにアップルの製造パートナーである台湾Foxconnが、第2世代の廉価バージョンを開発中との報道もあった。そちらは組み立て工程の自動化を進めるよう指示されているとのことで、やはりコストダウンに重きが置かれているようだ。
Bloombergはその発売時期を2024年~2025年と主張していたが、Kuo氏の情報源によれば、2025年の可能性が高いとされている。
第2世代ヘッドセットの価格は「iPhone並」との報道もあったが、iPhoneの価格にも幅があり、たとえば現行の最上位モデルiPhone 14 Pro Maxの最大構成は約24万円だ。これはサムスンやGoogleの折りたたみデバイスの価格帯と近く、新しいもの好きのアーリーアダプター向けデバイスとしては現実味があるのかもしれない。