サウジ政府が出国用航空券(ビジネスクラス)も容易していました

OpenAI盗聴事件、捕まった元従業員はサウジアラビアの独自AI開発に参加予定だったことが裁判資料で判明

Munenori Taniguchi

Image:U.S. Attorneys Northern District of California

9月にOpenAIの会議室に手製の音声録音装置が発見された事件で逮捕、起訴されていた元OpenAI従業員、アブドゥルラフマン・アルフォザン被告が、サウジアラビア政府から「相当な支援」を受けていたと報じられている。

今週開かれた裁判の資料からは、アルフォザン被告は「2025年から2026年にかけて、サウジアラビア王室の一員とWhatsAppで頻繁に連絡を取り合っており、直近では2026年10月5日にも連絡を取っていた」こと(10月5日は、被告がカメラを設置したテレビの裏を覗き込んでいる画像が撮影された日)、その王室関係者はサウジアラビアが立ち上げようとしているAI開発イニシアチブへの参加を要請していたことも明らかになった。ただ、アルフォザン被告は参加を承諾しつつも株式の権利が確定するまではOpenAIに留まると返答していた。

Image: U.S. Attorneys Northern District of California

また被告が所持していたiPhoneには「2026年9月22日から28日までの日付が記録された写真が含まれており、そのなかには少なくとももう1つの、隠された録音装置や、OpenAIの建物内のさまざまな場所にあるテレビやその他の電子機器の入出力パネルと思われる画像が含まれていた」とされ、被告の家宅捜索では、OpenAIの会議室で発見されたのと「類似した電子部品が複数」発見されたことも記されている。

また報道によれば、アルフォザン被告の逮捕は、妻と生後3か月の息子とともに、育児休暇のためサウジアラビアのリヤドへ発つ3日前だったという。しかし逮捕後、被告の妻はFBIに対し「自身のビザの期限が切れるため、息子と共にサウジアラビアに帰国、永住するつもりであり、夫である被告もいずれは同じようにする予定だ」と話したという。そして妻と息子は予定より1日早く、サウジアラビアの軍関係者が手配した航空券でカタールのドーハへ向かったとのことだ。

裁判資料には、被告のiPhoneから「OpenAI休暇」と題したメモに「設置済みまたは設置予定の機器を早期に回収し、その後、予定していた育児休暇を完全休暇に延長する」計画を示唆するものがあったと記されている。

なお、問題の装置が発見された会議室は「機密性の高い技術、商業、戦略情報や、OpenAIの技術的進歩、戦略的決定、能力、優先事項、政府との連携、商業関係に関する非公開情報」についての議論に頻繁に使用されていたという。さらに、装置が設置されていた数日の間には、政府関係者との会合が行われていたとも報じられている。

一方、今回の裁判資料ではサウジアラビア王族がアルフォザン氏に対し、OpenAIに録音装置を設置したり、情報を盗んだりするよう指示したとは記載されていない。

アルフォザン被告の裁判は今週月曜日にサンフランシスコの連邦裁判所で行われたが、被告は出廷しなかった。有罪判決を受けた場合、最高で懲役5年と25万ドルの罰金が科される可能性がある。FBIの捜査は現在も継続中だ。

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