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NASA、ガンマ線天文衛星「Swift」救助断念。早ければ年末にも再突入へ

NASAとKatalyst Spaceは、高度が低下しつつあるSwift宇宙望遠鏡を押し上げ、延命を図るために打ち上げた宇宙機「Link」による救出ミッションを中止すると発表した。早ければSwift宇宙望遠鏡は2026年末に地球大気圏に再突入する見込みだ。
Linkは7月3日に打ち上げられたものの、同28日に宇宙空間で機体の姿勢を制御する3つのリアクションホイールのうち2つが故障したせいで、多軸回転状態に陥っていた。さらに、より精密な姿勢制御に使用されるコールドガススラスターにも問題が発生していた。
それでもLinkを開発したKatalyst Spaceは、電気推進システムを使用することで、8月上旬までに回転速度をある程度減速させることに成功していた。そして、地上管制から宇宙航行用のソフトウェアを更新して、Swift宇宙望遠鏡とのランデブー飛行と、同望遠鏡の捕捉、軌道押し上げを試みるとしていた。
今回、NASAとKatalyst Spaceがミッションを断念した理由は詳しくは述べられていない。だがNASAは発表の直前、太陽活動の活発化に伴う大気抵抗の増加によってSwift宇宙望遠鏡の軌道が予想よりも早く低下していること、早ければ2026年末にも大気圏に再突入する可能性があることを明らかにしていた。
なお、Swiftの救出はできないものの、NASAKatalyst SpaceはLinkをSwiftの近傍まで到達させ、ランデブー飛行や近接操作は試みるとのことだ。
NASAの天体物理学部門ディレクター、ショーン・ドマガル=ゴールドマン氏は「われわれは皆、Swiftからさらなる科学的成果が得られることを期待していました。しかし、このミッションからも、結果がどうであれ価値のあるものが得られると理解し、これまでの成果を通して、実際に多くのものを得てきた」とコメントしている。
Katalyst Spaceは、Swiftの状況から打ち上げまでわずか9か月しかない状況でNASAから救助ミッションを受注し、前例のない超短期スケジュールでLinkを開発した。そのため、エンジニアたちは通常なら受け入れられないような技術的リスクを容認せざるを得ず、厳しいトレードオフを強いられた。それでも、打ち上げ後の最初の数週間は、すべて順調に進んでいるように見えた。残念な結果となったが、そのチャレンジは称賛されるべきものだ。
NASA長官のジャレッド・アイザックマン氏は「NASAは、見返りが見込める場合には迅速に行動し、賢明なリスクを取るべきであり、まさにそれを実行した」とミッションを評価し、「チームは驚異的なスピードで行動し、Swift宇宙望遠鏡がより多くの科学研究を実施する機会を得るとともに、将来の衛星サービスに必要な能力を向上させた」と述べている。
また、Katalyst SpaceはLinkの残りの運用を通じて得られた知見を、将来の衛星整備ミッションに活かしていくとしている。8月13日には、米国宇宙軍直轄組織の宇宙開発庁(SDA)および米国防イノベーションユニットが選定した、「軌道離脱サービスを提供するための調査契約」の受託企業3社のうちの1社にも選出された。
Swift宇宙望遠鏡はガンマ線バーストなどの高エネルギー天体現象を観測するために2004年に打ち上げられた。本来の運用軌道は高度600kmだったが、現在は高度343~347kmを周回している。
- Source: SpaceNews Ars Technica
