どんなフェラーリでもフェラーリはフェラーリ

酷評されたフェラーリ・ルーチェの「0号車」、市販価格の約62倍、約64億円で落札

Munenori Taniguchi

Image:RM Sotheby’s

フェラーリ初のBEV(バッテリー式電気自動車)として開発されたルーチェの「0号車」が、先週土曜日にサザビーズのモントレー・オークションで、4000万ドル(約64億円)で落札された。この落札による収益金はすべて慈善団体に寄付される。

このルーチェの当初予想落札額は110万ドル(約1.8億円)だったため、それを考えると36倍を超える高値での落札ということになる。ルーチェの市販バージョンの価格と比較するならば、約62倍だ。

近年、フェラーリのワンオフモデルが高値で落札されるのは伝統的になっている。

昨年8月には、同じモントレーのオークションで、599台限定生産のデイトナSP3の「599+1」台目として生産された限定モデルが2600万ドルで落札された。これは当時、オークションで販売された新車としては史上最高額とされた。だが、今回のルーチェはそれを大幅に上回った。

冒頭に述べたとおり、オークションに出品されたルーチェは車台番号が「FF21BUA8T0338000」、シャシー0と呼ばれており、まさに量産0号車ということになる。

Image:RM Sotheby’s

発表会ではライトブルーをメインカラーとしていたが、この0号車は「マドレペルラ・セミグロス」と呼ばれるワンオフカラーを纏っており、内装も特別仕様となっている。さらに、専用ホイール、カスタムキャリパー、オプティカルホワイトのボディに跳ね馬のエンブレムがあしらわれている。

ルーチェはフェラーリ初のBEVであることや、もとアップルのジョナサン・アイブ氏がデザインに携わったことで大きな注目を集めた。だが、発表会に登場したその姿はあまりに伝統的なフェラーリのイメージからかけ離れていたため、膨らんだ期待は一転して酷評の嵐となり吹き荒れた。前フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモロ氏にも、この車にフェラーリのエンブレムは相応しくないとまで言われてしまったフェラーリは、発表の1か月後にマーケティング責任者を交代させた。

だが、実際にフェラーリを買おうと考える人々は、そんな世間の評価など意に介していないようだ。フェラーリはルーチェの発表後2か月足らずで、2026年分の販売台数である500台弱を完売している。

Image:RM Sotheby’s

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