【連載】佐野正弘のITインサイト 第217回

止まらぬスマホ価格高騰、最適な買い替え時期はいつなのか

佐野正弘

円安に加えメモリ不足の影響によって、スマートフォンの著しい価格高騰が進み非常に買いづらくなっている。そのことは本連載でも何度か触れている通りだが、2026年6月25日にはさらに消費者を心配させる出来事が起きた。

それはアップルが、「Mac」「iPad」など多くの主力製品を一斉に大幅値上げしたことだ。10万円を切る低価格のMacとして話題となった「MacBook Neo」もその対象となり、2万円の値上げがなされ11万9800円と、10万円を超えてしまった。

アップルは2026年6月25日に多くの製品の値上げを発表。発売して間もない、低価格が特徴の「MacBook Neo」も値上げ対象となってしまった(Image:Apple)

ただ今回の値上げは「iPhone」が対象外だったため、胸をなでおろした人も多かったと思う。とはいえアップルは部材高騰などの影響を積極的に価格転嫁する傾向が強く、値上げがiPhoneに及ぶ可能性も否定はできない。そう遠くない時期に、何らかの形で値上げがなされることは確実だろう。

そのタイミングとして有力なのは、次のiPhone新機種投入のタイミングではないだろうか。値上げをするなら既存機種より新機種の方が消費者に与える影響をある程度抑えられる。メモリ不足の影響は2026年後半以降より本格化すると見られているだけに、新iPhoneで一気に価格転嫁をし、現行の「iPhone 17」シリーズより大幅に価格を上げる可能性は極めて高いと筆者は見ている。

スマートフォンの値段が上がる要因には事欠かない一方、値段が下がる要因は皆無と言っていいだろう。唯一、スマートフォンの価格を下げる要因として期待されていたのが、総務省で議論がなされていたスマートフォンの値引き規制の見直しだが、こちらも前回触れた通り、ホッピング対策など一部を除けば現在の規制はほぼ維持される見通しで、スマートフォン値引き規制緩和の期待は持てなくなってしまった。

「利用者視点を踏まえたモバイル市場の検証に関する専門委員会」第1回会合資料より。スマートフォン値引きをはじめとした規制の最小化に向けた議論が進められていたが、結果的にはホッピング対策が議論の中心となってしまった感が否めない(Image:総務省)

そこで多くの人にとって気になるのは、スマートフォンをいつ買い替えるべきなのか?ということだろう。とりわけ同じスマートフォンを3〜5年使っている人は、そろそろ買い替えが必要な時期に来ているだけに、いつどのような機種に買い替えるのがベストなのか、悩んでいる人も多いかもしれない。

あくまで筆者の見立てだが、最適な買い替え時期は「今すぐ」だ。ここまで触れてきたように、今後スマートフォンの価格が高騰する理由には事欠かず、改善の見通しも全く立っていないというのが、その理由である。

スマートフォン価格高騰要因の1つである為替相場に関しても、ここ最近では1ドル当たり160円台と、一層の円安が進んでいる。もしこれ以上の円安が進むようなら、アップルが新機種を待つことなく既存機種の値上げをする可能性が高まってくる。

6月のタイミングでは値上げが見送られた「iPhone 17」シリーズだが、今後の為替動向によっては突然値上げされる可能性も大いにあり得る

もちろん機能や性能面を考慮するならば、次に登場する新機種の方が有利なのだが、そもそも最近のスマートフォンは性能進化が停滞傾向にあり、一般ユーザーが新機種でないと困る要素はあまりない。

それに加えて最近では部材の価格高騰などを受け、Googleの「Pixel 10a」のように、新機種ながら性能が前機種とほぼ変わらないモデルも増えており、新機種を待つことが最善とも限らなくなっている。

また、アップルの「Apple Intelligence」のように、AI関連機能を利用するのに一定の性能を求めるケースも出てきているが、それも一部機能を除けば、「iPhone 17」「iPhone 17e」など現行のスタンダードモデルで十分対応できてしまう状況にある。

2026年4月に発売された「Pixel 10a」。前機種「Pixel 9a」から価格は維持されたが、性能も大きく変わらない内容となっていた

最先端のフラグシップモデルがどうしても欲しいというのであれば話は別だが、そうでなければ今売られている機種を購入するのが、当面の価格高騰を回避する唯一の策といえる。2026年7月10日から開催のAmazonプライムデーに先駆けて実施された先行セールで、アップルの「iPhone Air」がモデルによって2割を超える割引がなされているとして話題となったが、高額な機種でもこうしたセールを活用すればある程度安く購入できるだろう。

現行のiPhoneの新機種の1つ「iPhone Air」だが、2026年の「Amazon Prime Day」の先行セールで一部モデルが2割超の割引となっていることが話題となった(Image:Apple)

ただ以前からスマートフォンの価格高騰は進んでいるだけに、手元にあるスマートフォンと同じクラスの性能を持つ現行のモデルは、価格が高くて買えないと感じている人も多いと思う。

そうした人達が取るべき手段は大きく分けて3つあり、1つは購入する端末のグレードを下げることだ。ハイエンドモデルを使っている人ならミドルクラス、ミドルクラスならローエンドといったように、1つ下のクラスの端末を選ぶようにすれば、当然だが性能は下がるものの価格は安く抑えられる。

ただし性能が下がれば満足度も下がる可能性も高まるので、もう1つの策として同クラスの型落ち品を探して購入する手もあるだろう。最新機種と比べれば機能・性能面で落ちる部分はあるだろうが、価格面でのお得感は高いだけに、旧機種の出物を探して購入するのは悪くない選択といえる。

とはいえ型落ち品は在庫数が少なく、必ずしも買えるとは限らない。同クラスの製品をより確実に購入するならば、もう1つ、中古スマートフォンを選ぶという策もある。ただ国内では中古スマートフォンへのなじみが薄く、利用に抵抗感を抱く人も少なくないと思う。

価格高騰を受けて中古スマートフォンの需要が高まっているだけに、リユースショップ大手のゲオも新業態の「ゲオデジタルベース」を立ち上げ、スマートフォンなど中古デジタル製品の販売に力を入れている

一方で、これだけスマートフォンの価格が上がってしまった現状、中古スマートフォンの需要も大きく高まっていることから、販売する店舗の側も品質やサポートにかなり力を入れ、安心して購入・利用できる環境を整えてきている。選択肢の1つに入れるのも悪くない状況となっていることは覚えておきたい。

繰り返すようだが、スマートフォンの価格は今後一層の高騰が予想され、下がる見込みは限りなくゼロだ。少しでもお得にスマートフォンを買いたいなら、とにかく今すぐ行動を起こすべきだろう。

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