利幅の大きいAIデータセンター向けにリソース集中
「Crucial」ブランド終了へ。メモリ高騰と品薄に拍車か

Micron Technologyは、消費者向けCrucialブランド事業からの撤退を発表した。これにより、同ブランドの手頃な価格のSSDおよびメモリ製品のラインナップは、順次終わりを迎えることになる。
同社の最高事業責任者Sumit Sadana氏は、データセンター向けAI需要の急拡大によりメモリ/ストレージ需要が急増していることを踏まえ、「より規模が大きく戦略的な顧客向けの供給とサポートを改善するために、困難な決断を下した」と説明している。
Crucialは約29年間にわたり、コンシューマー市場における技術的リーダーシップや品質、信頼性の代名詞となってきたブランドである。だが今後は、より収益性の高い企業・商業分野にリソースを集中させる方針だ。言い換えれば、利幅の薄い消費者向け事業に見切りを付けたということになる。
この撤退は、自作PCユーザーやゲーマーにとって大きな痛手となる。大手の消費者向けブランドが1つ消えることは、世界的なメモリ不足をさらに深刻化させる可能性がある。RAM需要の急増はすでにRaspberry Piなどの製品価格にも影響を与えており、HPも2026年5月以降のPCについて、価格引き上げや搭載メモリ容量を減らした低スペック構成への移行を検討していると発表している。
もっともMicronは、2026年2月末まではCrucial製品の出荷を続け、「保証サービスとサポートも引き続き提供する」としている。すでに昨年10月初頭からメモリ価格は5倍に高騰しているとの報告もあり、たとえ割高に感じられても、必要であれば早めに購入しておく方が無難かもしれない。
- Source: Micron Technology
- via: The Verge
