「ワット当たり」性能向上を強調
Qualcomm、Snapdragon X2 Elite/Extreme発表。競合チップ比最大75%高速を主張

米Qualcommは9月24日(現地時間)、Windows PC向けの新型SoC「Snapdragon X2 Elite」と「Snapdragon X2 Elite Extreme」を発表した。同社はこれらを「Windows PC向け最速かつ最高効率のプロセッサ」であると主張している。
両モデルは3nmプロセス製造で、第三世代Oryonアーキテクチャを採用し、最大18コア構成を持つ。そのうち12コアが最大4.4GHzで動作可能で、さらに2コアは最大5.0GHzに達し、Arm CPUとしては初のクロック速度とされている。前世代「Snapdragon X Elite」と比較すると、同じ消費電力でCPU性能が最大31%向上、または43%の消費電力削減が可能とされる。
GPUは刷新されたAdrenoアーキテクチャを採用し、ワット当たりの性能は前世代比で2.3倍に向上している(純粋な性能倍率ではない)。さらにAIタスク向けに新開発の80TOPS Hexagon NPUを搭載(前世代は45TOPS)し、性能は37%向上、消費電力は16%削減とのこと。クアルコムは「ノートPC向けNPUとしては圧倒的な最速性能」と強調している。
特にX2 Elite ExtremeはウルトラプレミアムPC向けと位置づけられ、競合製品より最大75%高速なCPU性能を持ち、消費電力を抑えつつ「複数日」のバッテリー駆動を可能にしたと主張されている。もっとも、この「複数日駆動」の表現は昨年のSnapdragon X Eliteでも使われていた。

プレスリリースでは具体的な競合製品名は明記されていないが、基調講演の比較グラフからは、インテルCore Ultra 9 285HやAMD Ryzen AI 9 HX 370といった高性能・高消費電力のノートPC向けチップを意識していると見られる。また、NPUに関してはApple M4チップとの比較も確認できる。

これらの性能強化により、Adobe製品(Photoshop、Lightroom、Premiereなど)における性能も大幅に向上したとされる。画像編集や動画出力では前世代比で20〜40%程度の高速化が見込まれるという。
さらにX2 Elite Extremeは50W超の電力でテストされており、昨年まで薄型軽量ノートPC向けだったSnapdragonチップとは異なり、よりハイパワーな大型PCにも展開できる可能性が示された。
クアルコムは2026年前半に搭載PCが市場に投入される見込みとしており、インテルやAMDに加えて、Appleシリコン搭載MacBookへの対抗を狙っているとみられる。
両チップの具体的な仕様は次の通りである。
