ドリフト問題も解決していない可能性
Switch 2本体とプロコン、修理しにくさをiFixitが酷評。「任天堂はブランド名にあぐらをかいている」

修理業者iFixitは、Nintendo Switch 2 Proコントローラーを分解した結果、製品価格に対して耐久性や修理のしやすさが見合っていないと指摘し、「Proコントローラーの名に値しない」と酷評している。
iFixitは米国での「修復する権利」運動に深く関わっており、ユーザーや修理業者による自己修理のしやすさを重視する傾向がある。その一方で、Pixelシリーズの修理パーツを公式パートナーとして提供しており、必ずしも大手メーカーと敵対しているわけではない。
今回のProコントローラー分解は、最初の工程から難航している。フェイスプレートは強力な両面テープとクリップで固定されており、アルコールを用いて慎重に剥がす必要がある。さらにネジが隠されており、再組立時には新たな接着剤が必要だ。加えて、複数のプラスチック層や内部パーツが重なっており、分解作業は極めて煩雑である。
バッテリー交換の難易度も非常に高い。バッテリー自体の取り外しは容易だが、そこに至るまでにはほぼ全分解が必要であり、ユーザーによる交換は現実的でないと批判されている。
スティックについても、依然としてドリフトしやすいポテンショメーター式が採用されている。「ドリフト」とは、スティックに触れていないにもかかわらず入力が発生する現象であり、初代Switch用のJoy-ConやProコントローラーで頻発し、海外では集団訴訟にも発展した。これは物理的接触によって摩耗するポテンショメーターの構造的問題に起因するため、避けがたい欠陥とみられている。
新型Proコントローラーでは、スティックがモジュール化されており、交換自体は比較的容易である。しかし、分解工程の複雑さは依然としてネックであり、さらに従来より故障率が高くなる可能性も指摘されている。
一方で、NFCアンテナやヘッドホンジャックはモジュール化されており、これらは比較的簡単に交換可能である点は評価されている。とはいえ、総合的な評価は「修理の悪夢」とされており、8BitDoなど他社製ホール効果スティック搭載のコントローラーの方が、耐久性・修理性ともに優れているという。
「任天堂はブランド名にあぐらをかき、消費者に優しくない設計を続けている。修理のしやすさや耐久性を重視するなら、他社製品を検討すべき」と、iFixitは結論づけている。
なお、これに先立ち、iFixitはSwitch 2本体の分解レポートも公開済みである。修理しやすさスコアは10点中3点とされ、初代Switchの8点から大幅に評価を下げている。主な問題点は以下の通りである:
- バッテリーが強力な接着剤で固定されており、交換には大量のアルコールや力が必要
- 充電ポートやゲームカードリーダーなど、故障しやすい部品が基板に直付け(はんだ付け)されている
- ネジが隠されており、さらに封印シールが貼られているため、分解時に破損のリスクが高い
- 任天堂から公式の修理マニュアルや純正部品の提供がない
- Joy-Con 2も従来同様のスティック方式であり、スティックドリフトの懸念が依然として残る
つまり、ProコントローラーもSwitch 2本体も、ユーザー自身による修理は現実的でなく、任天堂公式サポートへの依頼が無難といえるだろう。
- Source: iFixit(YouTube)
- via: Engadget