「初代スイッチの10倍」はやや誇張とのこと
Switch 2の実力はPS4以上? ゲーム映像の専門家が徹底分析

Nintendo Switch 2(以下、スイッチ2)は、PlayStation 5やXbox Series Xの画質には及ばないが、総合的にはPS4レベル以上の画質を実現していると専門家たちが分析している。
ゲームのハードとソフトの技術分析に特化した組織Digital Foundry(以下、DF)は、最新のポッドキャストで、先週のNintendo Directで紹介されたスイッチ2版『ファイナルファンタジー VII REMAKE INTERGRADE』『ホグワーツ・レガシー』『エルデンリング』のゲームプレイ映像とPS4版の映像を比較し、興味深い知見を述べている。
『ファイナルファンタジーVII』
- 解像度は1080pでPS4版と同等だが、INTERGRADE版(PS5およびPC向けに最適化)のライティング改良が適用されている
- ボリューメトリックライティング(体積光)もより密でリアルであり、主人公クラウドの顔・体のライティングが三点照明風に演出され、立体感が向上している
- 総合的に見てPS4版よりも「視覚的に洗練」されている
『ホグワーツ・レガシー』
- PS4版は900p解像度+AMD FSR1(アップスケーリング)に対し、スイッチ2版は720pネイティブ解像度である
- 解像度は劣るが、全体的にシャープでエッジが滑らかである
- アップスケーリングに関しては、より高度なTAA(Temporal Anti-Aliasing)、または別の時間的アップスケーラーを使っている可能性がある
- 静止画では、PS4よりも明らかに「破綻の少ない滑らかな画像」となっている
- 一部のシーンでは画像の乱れが見られるが、それでも総合的にはPS4版より良質なビジュアルとなっている
『エルデンリング』
- PS4版とほぼ同等の解像度と描画距離を実現している
- 中距離の影がやや深く描画されており、影の描画距離がわずかに長い
- 映像はYouTube由来の低品質なものであったため、詳細な評価は困難である
- ただし、現時点ではPS4版と同等レベルのビジュアル再現力があると推定される
なぜスイッチ2版の方が全体的によく見えるのかといえば、1つには後発移植の強みがある。開発者は新たなライティング技術やTAAなど、PS4時代にはなかった選択肢を試すことができる。
第2に、ハードウェアが現代化しているという点が挙げられる。PS4と同等かそれ以上のCPU能力を持ちつつ、RTコアなどの新たなGPU機能を活用することができる。
最後に、任天堂ハードに特化した最適化が成熟してきているという事情がある。たとえば初代スイッチ版『エイリアン アイソレーション』では独自のTAAを用いることで、他機種版よりも高画質に見える例が挙げられている。
さらにスイッチ2は120Hzディスプレイを搭載しているため、マルチプラットフォームの移植においては、PS4版よりも遥かに優れたゲーム体験を実現する可能性がある。これまで40FPSモードやHDR対応は「おまけ」として扱われてきたが、スイッチ2ではそれらが標準化されており、今後は頻繁に採用されることが予想される。
なお、NVIDIAは自社のカスタムチップにより、スイッチ2が初代スイッチの10倍のグラフィック性能を実現したと発表しているが、DFはこれをやや誇張であると指摘している。
初代スイッチが0.4TFLOPS(ドック設置時)に対して、スイッチ2は3.1TFLOPSであり、約8倍の性能と推定されている。その差を、ハードウェア世代による機能面の向上が補っているというわけである。
- Source: Digital Foundry(YouTube)
- via: Wccftech