音声コマンドやビデオ通話が使いやすくなる?

Ryzen Z2シリーズにAI対応モデル登場? AMDが“モバイルAI”強化か

Image:AMD

今年初め、AMDは携帯ゲーミングPC向けの新型チップ「Ryzen Z2」シリーズを発表した。それに加え、AI機能を強化した「Ryzen AI Z2 Extreme」の準備が進められているとの噂が報じられている。

同社のRyzen Z1シリーズは、ハイエンドの薄型軽量ノートPC向けチップをベースとしながらも、AI処理ユニット(NPU)を省略した構成である。特にRyzen Z1 Extremeは、Ryzen 7840Uと同一チップでありながら、NPUが無効化されているとの指摘もある。この設計方針は、最新のRyzen Z2シリーズにも踏襲されている。

しかし、著名リーカーであるHoang Anh Phu(@AnhPhuH)氏は、Ryzen Z2シリーズのラインナップに「Ryzen AI Extreme」が含まれていると示唆している。同氏は、これまでにも未発表であったRadeon RX 9070 XTの情報を正確にリークしており、AMD関連の情報源として一定の信頼を得ている。

現時点では、モバイルPCにおけるAI処理の必要性は高くないとされている。しかし、AMDの競合であるインテルは、次世代プロセッサー「Lunar Lake(ルナレイク)」においてAI機能を大幅に強化している。搭載される「NPU 4」は最大48TOPS(1秒間に48兆回の演算)を実現し、前世代のMeteor Lakeと比較してAI性能は3倍に達するとされている

また、リーク情報によれば「Ryzen A2」という新たなモデルの存在も明かされている。詳細は不明だが、Z2(実質的にはZ1 Extremeと同じ)にAI機能を追加した構成、つまりRyzen 7840Uに近い製品となる可能性がある。これにより、Z2シリーズには合計5つのチップが用意され、各OEMメーカーに対して柔軟で多様な選択肢が提供されることになる。

将来的には、携帯ゲーミングPCにおけるNPUの活用シーンもいくつか想定される。たとえば、入力手段が制限される携帯機においては、「剣を装備して」といった音声コマンドを活用することで、より直感的な操作ができるかもしれない。

さらにNintendo Switch 2のように、ビデオ通話での顔追跡や背景除去なども実装される可能性がある。また、マイクロソフトはNPUを活用した超解像技術「Auto SR(自動スーパー解像度)」を発表しており、すでに一部のゲームで対応が始まっている


さらに、AMDの幹部はZ2 Extremeを搭載した製品の開発が複数のパートナー企業と協力して進められていることを明かしている。そのうちの1つはROG Allyの後継機であると予想されており、もしかするとAI Z2 Extremeを搭載した “隠し球” モデルが登場するかもしれない。

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