地味にコストダウンも

Nintendo Switch 2、なぜバッテリー駆動時間が短く?初代スイッチからの「妥協」を探る

Image:任天堂

「Nintendo Switch 2」(以下、スイッチ2)は、従来の「Nintendo Switch」(以下、スイッチ)よりも大型化し、より高性能な性能や新機能を備えている。あらゆる面で優れている中、唯一劣っているのは「バッテリー持続時間が短い」ことである。スイッチ現行モデルや有機ELモデルが約4.5〜9時間に対し、スイッチ2は約2.5〜6.5時間であり、2時間以上も短くなっている。

一方、改訂前のスイッチ旧モデルは約2.5〜6時間だった。つまり、スイッチ2はバッテリーに関しては原点に戻ったことになる。

なぜ、大型化しながらもバッテリー持続時間が短くなっているのか。推定される原因は、以下の通りである。

ハードウェアの高性能化

スイッチ2はカスタムNvidiaプロセッサ(おそらくTegra T239)を採用し、スイッチの3倍となる12GBのRAMを搭載していると推測されている。これらの高性能コンポーネントは消費電力を増加させ、バッテリー持続時間の短縮につながった可能性がある。

新型ドックには冷却ファンが内蔵されており、据え置きのTVモードでは消費電力や発熱が増えていることがうかがえる。また、新たに発表された「Nintendo Switch 2 ACアダプター」は最大60Wに対応しており、現行スイッチ用の39Wから大幅にアップしている。携帯モードでの消費電力は明かされていないが、同じく約1.5倍となっているのかもしれない。

ディスプレイの高解像度かつ大型化

7.9インチのLCDディスプレイは、1080pの解像度、最大120Hzの可変リフレッシュレート、HDRサポートを備えている。これらの機能は視覚体験を向上させる一方で、確実に消費電力も増加させるだろう。

新機能の追加

スイッチ2はWi-Fi 6対応、ノイズキャンセリング機能付きの内蔵マイク、GameChatなどの新しい機能が追加されている。これらは携帯モードでも無効化されるわけではなく、特にWi-Fi速度の向上や音声/ビデオチャットはゲーム以外の負荷をかけることになり、バッテリーの消耗を加速するはずだ。

ほか、任天堂が公開した技術仕様には注目すべき点がいくつかある。まず「1920×1080 / 2560×1440ピクセル選択時は120fpsに対応」とあることから、スイッチ2はHDMI 2.1(4K/120Hz対応)をサポートしていないようだ。

新型コントローラー「Joy-Con 2」に関しては、Amiiboのサポートは残っているが、初代にあったIRセンサーが搭載されていない。具体的には『Nintendo Labo』(IRセンサーによりダンボール製のToy-Conの内部マーカーを読み取る)や『リングフィット アドベンチャー』(プレイヤーの心拍数を測定するためにIRセンサーを利用)等に影響するが、それは任天堂も「(初代)Joy-Conが必要」と但し書きしている。

これら妥協したポイントは、価格を抑えるためにあえて下した決断かもしれない。また、将来的に有機ELディスプレイ搭載など一部を強化した「Pro」モデルの可能性にもつながりそうだ。

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