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米大統領補佐官、業務情報をGmailでやり取りしていたことが発覚

Image:Tada Images / Shutterstock.com

米国の国家安全保障担当大統領補佐官マイケル・ウォルツ氏が、スタッフとの政府業務に関する情報のやりとりに個人用のGmailアカウントを使っていたことが、 Washington Postなどによって報じられている。

記事によると、ウォルツ氏と上級補佐官のひとりが「進行中の紛争に関連する軍事上の機密事項や強力な兵器システムに関わる、他政府機関との専門性の高い会話」のためにGmailを使っていた。問題が発覚したのは、ウォルツ氏が送信したメールのヘッダー情報がGmailからのものであった一方、受信した別の政府職員のそれは政府発行のアカウントだったからだ。

ウォルツ氏といえば数週間前、J・D・ヴァンス副大統領を含む複数の政府高官がイエメンの親イラン派反政府組織に対するミサイル攻撃計画に関するやり取りに一般向けのサービスであるSignalのチャットを使用していたことが報じられた際、The Atlantic誌編集長のジェフリー・ゴールドバーグ氏を誤ってチャットメンバーに招待した人物でもある。この件に関して、ウォルツ氏は先週、自らの責任を認めている。

今回の件は、Signalチャットの時ほど重要な問題を扱っているわけではない(ウォルツ氏はGmailに共有したのはスケジュールや機密でない業務上の文書だと主張)が、Gmailの情報取り扱いに関するセキュリティはSignalよりもさらに低い。しかし専門家は、Washington Postに対し、たとえそうであっても、政府情報は個人の電子メールよりも安全な場所に保管する必要があると述べている。ちなみにGoogleは、Gmailを含む自社サービスを通じて、ユーザーのネット上の行動を広範囲に追跡し、広告アルゴリズムやAIの学習データなどに利用している。

米国家安全保障会議(NSC)の広報担当者ブライアン・ヒューズ氏は声明で、「これは米国を守るトランプ大統領の成功した国家安全保障計画から米国民の注意をそらすための新たな試みだ」と述べ、「繰り返しになるが、ウォルツ氏は記録保管の遵守を確実にするため、1月20日以降は旧連絡先から個人用メールでメールやカレンダーの招待を受け、政府のアカウントにCCを入れていた。また、個人用のメールアカウントや安全でないプラットフォームで機密資料を送信したことは一度もない」と主張している。

一方、当局者のひとりは「機密事項を含む通信は、安全な経路を通じてのみ送信されなければならず、NSC職員全員にこのことが知らされている」と述べ、「また、非政府機関との通信は記録遵守のため、記録を収集/保管しなければならないこともNSC職員に明確にされている」とした。

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