長期使用レビューでわかったこと
「iPhone 16e」1か月間使用した感想。カジュアルで優秀、使い込むほどに好感がわく1台

アップルが「iPhone 16e」を2月28日に発売してから約1か月間試したが、やはり本機は仕事用のメイン端末としても存分に使える実力派のスタンダードモデルだと感じた。
本機に対する筆者の印象は、ファーストインプレッションの時と基本は変わらない。だが、1か月の間に気が付いたことが多くある。そこで本記事では、iPhone 16eの特長について改めて整理してみたい。
最も軽やかに使い倒せるiPhone 16ファミリーの標準機
iPhone 16eは、4.7インチの第3世代iPhone SEよりも大きい6.1インチになったことで、ポータビリティが損なわれることを懸念する向きも多いようだ。しかし、実際に使ってみると167gの適度な質量と大きさのバランスがとても良いことに気が付くと思う。
ビデオ視聴やゲームがとても快適だ。筆者はiPhone 16 ProをメインのiPhoneにしている。Proはトリプルレンズカメラのユニット側に重さのバランスが若干偏るが、iPhone 16eはカメラユニットの出っ張りがないし、フラットなバランスなのでとても持ちやすい。

物理的なホームボタンがなくなってしまったことを不便に感じるという声もあるようだ。筆者は元からオールスクリーンデザインのiPhoneにもう慣れているので気にならないが、省略されたホームボタンの代わりに「ホームに戻る」操作を行う方法はいくつかある。
例えば「設定」の「アクセシビリティ」から「タッチ」に入り「背面タップ」をオンにして、ダブルまたはトリプルタップでホーム画面に戻るアクションを割り当てることもできる。

Touch IDによる指紋認証が使えるiPhoneが現行シリーズからなくなってしまったことは確かに残念だが、iPhone 16eのFace ID認証はとても速く正確だ。
iPhone 12以降からマスク着用時にFace IDが使えるようになったので、花粉症の季節にも不便はない。ただ、帽子とマスクを両方装着しているとFace ID認証に失敗する場合がある。こういう場合、筆者は帽子を脱ぐことで対処している。
海外に出る際、筆者は最近海外旅行用のeSIMも併用している。iPhone 16eも物理SIMとeSIMによるDSDS(Dual SIM Dual Standby)なので、日本の通信用のSIMカードを装着したままeSIMサービスを簡単に追加できる。
余談だが、2025年時点でiPadの現行ラインナップがすべて物理的なSIMカードには非対応となってしまった。筆者は先日、今使っている物理SIMによる通信サービス1件をeSIMに変える手続きを取ろうとした。調べたところ、筆者が使っていた通信事業者は物理SIMからeSIMに変更するサービスを実施しておらず、eSIMに変えるなら新規申し込みが必要だった。
iOSにはiPhone上で物理的なSIMをeSIMに変換する機能もあるが、この機能も該当の通信事業者によるサービスは対応していない。近い将来に「さらに薄型のiPhoneが出る」というウワサもあるようだが、薄型化のため物理SIM機能の省略が合わせて実施されることになったら、ユーザーとして相応の対策が必要になりそうだ。
バランスよくまとまっているカメラ機能
iPhone 16eのカメラに関しては、シャッターを押すだけで色のバランスや解像度など、リアリティに富んだ写真とビデオが撮れる「iPhoneのカメラ」らしい抜群の安定感を受け継いでいる。
iPhone 16 Proの光学5倍ズームに慣れると、記者発表会のような機会に登壇者に寄った写真を撮りたい時に力不足を感じることもある。とはいえ、それ以外の場面では、光学2倍相当のズーム撮影に対応するiPhone 16eのカメラでも困ることがあまりない。うす暗い被写体でも美しく撮れる。



ビデオ撮影時には、サウンドを空間オーディオ収録する「オーディオミックス」の機能が使える。鳥のさえずりを記録しながら、自身でナレーションを付けた動画のサウンドを「スタジオ」の機能で編集してみた。

ゲージを100に近づけるほど環境音が聞こえなくなり、撮影者の声だけにマイクがフォーカスしたようなサウンドになる。ただ、AIによる音声分離が必ずしもうまくできない場合もあるようで、ゲージを100にすると撮影者のナレーションまで一部消えてしまうところがあった。
この点に気をつけながら用途に合わせて配分を上手に調整すれば、取材の際にプロダクトやサービスを紹介するための簡単な動画解説がiPhone 16eだけで作れそうだ。
iPhone 16eは使い込むほどに好感がわく
バッテリー持ちも期待していた通りだ。約1か月間の試用中にiPhone 16 Proと2台持ちしながら、なるべく1日のタスクを均等に分散させながら使ったが、スタミナはほぼ互角だった。
純正モデムチップのApple C1がバッテリー持ちの向上にどれほど貢献しているのか、秋に同じApple C1チップを載せたiPhoneの新しいProシリーズが出てきた時に真価が明らかになると思う。
iPhone SEよりもiPhone 16eが明らかに便利になる点は、デジタルコネクタがUSB-Cになったことだ。MacBookやAirPods Pro 2と同じ充電ケーブルが使えるので、出張や旅行の際に準備するべきアイテムが1つ減る。仮にケーブルの準備を忘れたことに気が付いても、USB-Cならば現地調達も比較的容易だ。

iPhone 16eはビジネスパーソンが仕事をこなすため必要になるiPhoneの先端機能を、初心者からiPhoneに慣れているユーザーまで広くシンプルに使いこなせるよう巧みにまとめたスタンダードモデルだ。
カラバリをブラックとホワイトの2色に限定しているところも、ユーザーを支援するアシスタントとしての立場を貫いているようで、使い込むほどに好感がわいてきた。ただ、ルックスがとても飾り気のないスマホなので、ユーザー自身で何かしら外観のカスタマイズを加えた方が愛着を持ちながら長く使えると思う。