マスクがアップルに怒っているとのこと

スペースX、アップルの衛星通信プロジェクトを妨害か

Image:FellowNeko/Shutterstock.com

アップルは近年、iPhoneに衛星通信機能を導入し、携帯電話やWi-Fiの電波が届かない場所でも緊急SOSやロードサービス(後者は日本未対応)を利用できるようにした。これらの機能は、多くのユーザーにとってトラブル時に助けを求める手段となっている。

しかし、さらなるサービス拡大を目指す中で、アップルはイーロン・マスク氏率いるスペースXと対立しているとThe Wall Street Journalが報じている。

アップルは主にGlobalstarとの提携を通じて衛星通信機能を提供しているが、米国ではT-Mobileを介してiPhoneとスペースXのスターリンク衛星の接続は実現済みである。一見すると、両社の関係は良好に見える。

しかし、問題はアップルがGlobalstarの衛星通信に多額の投資を行っていることに対し、マスク氏が怒っているとされる点である。WSJによれば、スペースXは米連邦通信委員会(FCC)に働きかけ、アップルの衛星インフラ拡充を遅らせたり阻止しようとしているという。

その主な理由の一つが、周波数帯域の使用権にある。アップルはGlobalstarを通じて帯域使用の追加を申請しているが、周波数帯域には限りがある。アップルやGlobalstarが新たな帯域を確保することは、将来的にスペースXが帯域を拡大しにくくなることにつながる。また、帯域獲得競争の激化により、使用権の価格が高騰する可能性もあり、スペースXにとっては好材料とは言えない

これまでにもアップルは、さらなる衛星と帯域の利用について、他の衛星通信プロバイダーであるEchoStarと協議してきたと伝えられている。以前にはボーイング社と協力して衛星プロジェクトに取り組んだが、そちらは成功しなかったという。

T-Mobileを通じたアップルとスペースXの協力は実現しているが、その過程は順調ではなかったようだ。両社は「緊迫した議論」を交わし、最終的に合意に達したものの、ここ数か月で紛争が激化したと関係者は述べている。さらに、アップルとスペースXの幹部は、iPhoneをスペースXの衛星と直接リンクさせることについて話し合っているが、現時点では合意に至っていないとのことだ。

現状、両社の関係は冷え込んでいるが、提携は双方にとって大きなメリットがある。また、Globalstarはアップルが出資する衛星の打ち上げをスペースXに依頼しており、将来的には衛星通信分野での提携に向けて歩み寄る可能性もある。

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