テンセントはUbisoftを買収すると言われていました

Ubisoftが『アサシンクリード』など人気IP開発専門の新子会社設立。テンセントが株式25%取得

Image:Ubisoft

物議を醸す新作ゲーム『Assassin’s Creed Shadows』を発売したばかりのUbisoftは、同社でも最も人気が高い『Assassin’s Creed』シリーズや『Far Cry』シリーズ、『Tom Clancy’s Rainbow Six』シリーズの開発を手がけるための新子会社を新設すると発表した。

評価額43億ドルとなるこの子会社には、中国Tencentが約12.5億ドルを投資し、株式の25%を取得するという。取引は年内に完了する予定。TencentはUbisoftの株式も、これまでに10%取得している。

Ubisoft共同創業者権CEOのイヴ・ギルモ氏は、この新子会社の設立が、上記3作品の長期的な成功のための「バランスシート強化」と「最良の条件」を生み出すのに役立つとしている。Ubisoftはここ数年、業績と株価の低迷に直面しており、昨年ごろからTencentが買収を希望しているものの、ギルモ氏が抵抗しているとのうわさが伝えられていた。

新子会社にはバルセロナやモントリオール、ケベックその他のUbisoftの拠点から 開発人員が集められる。また上記3作品のIPは引き続きUbisoftが保有し、新子会社にはUbisoftからライセンスが付与される。さらにUbisoftは、IPによる収益からロイヤルティを得る。

なお、先日発売した最新作『Assassin’s Creed Shadows』は、Ubisoftが多額の予算を投じて開発した、シリーズ初となる日本が舞台の作品になっている。

一説には、同社の業績立て直しのためにこの作品を1000万本以上売る必要があるとも言われる本作品だが、最初の予告動画が公開された直後から、主人公キャラクターが黒人の侍であることや、著しく誤った日本文化や季節感の描写、さらにはインターネット上からかき集めたと推測される著作権画像や文化財画像の無断使用が指摘され、一部ではトラブルに発展した。一方で、SNSやYouTubeには揚げ足取りに過ぎない批判も多く、問題を正しく把握・判断するのを難しくしている。

Ubisoftは、この作品が同社史上2番目の発売初日収益を記録したと発表し、プレイヤー数は300万に達したと述べた。だが売上本数には言及していない。

関連キーワード: