セキュリティクリアランスに合格できない可能性

マスク氏率いる政府機関「DOGE」、スタッフが過去にサイバー犯罪組織に協力したとの報道

Image:RKY Photo/Shutterstock.com

イーロン・マスク氏が率いる政府効率化部門「DOGE(Department of Government Efficiency)」の19歳のスタッフ、エドワード・コリスティーン氏(通称「Big Balls」)が、過去にサイバー犯罪組織の技術サポートをしていたと報じられている。

米Reutersによれば、コリスティーン氏は高校在学中の2022年に「DiamondCDN」という会社を立ち上げ、DDoS攻撃からの保護をうたうサービスを提供していた。その顧客の一つがサイバー犯罪組織「EGodly」であり、同氏はEGodlyのウェブサイト「dataleak.fun」の運営やセキュリティ支援を行っていたという。

このEGodlyは、暗号通貨の窃盗、電話番号の乗っ取り、FBI捜査官の個人情報を暴露した等で知られている。Telegram上で同組織は「大切なパートナーであるDiamondCDNが、素晴らしいDDoS保護とキャッシュシステムを惜しみなく提供してくれた。おかげで我々のウェブサイトを安全にホストし、守ることができた」と謝意を述べていたとのことだ。

さらに、コリスティーン氏は過去にサイバー犯罪コミュニティ「The Com」にも関わっていたと報じられている。「The Com」とは特定の組織ではなく、DiscordやTelegram上のグループチャットを通じて、デジタル犯罪の戦果を誇ったり、個人情報を暴露し合ったりするような緩いつながりである。

現在コリスティーン氏はDOGEのスタッフとして、連邦政府ネットワークへのアクセス権を持っている。しかし、そのような機密領域に関わるには本来、セキュリティクリアランス(国家機密や重要インフラへのアクセスに際して課される、徹底的な身元調査)を通過する必要がある。Wired誌は、「彼がその審査に合格できるのかは疑わしい」と指摘していた

しかし、マスク氏はそうした報道からコリスティーン氏を擁護するように、Xにて「Big Ballsは最高だ!」と投稿していた。

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