プラスチック製は見かけが悪く、大して安くならないため?

次期Apple Watch Ultraは衛星通信と5G対応?「Apple Watch SE 3」は開発難航か

Image:Rezeki2031/Shutterstock.com

昨年秋はApple Watch標準モデルのみ発売され、Apple Watch UltraやApple Watch SEの後継機は登場しなかった。そんななか、両モデルに関する最新情報を著名ジャーナリストが伝えている。

アップルの内情に詳しいBloombergのMark Gurman記者によれば、次期Apple Watch Ultra 3には衛星テキスト通信をサポートし、新たな5G対応モデムが搭載されるとのことだ。現行のApple Watchセルラーモデルは4G LTEに対応しているが、5Gには非対応である。

同社はiPhone 14シリーズにて「衛星経由のテキストメッセージ」を初導入した。それらはiPhone 15と16にも引き継がれているが、これまでApple Watchは未搭載だった。もしも対応すれば、携帯電話やWi-Fiの電波が届かない場所でも、iPhoneと同じくテキストメッセージが送れるようになるだろう。当初は緊急時のみに限られた衛星テキストメッセージは、iOS 18で拡張され、あらゆる連絡先へのメッセージをサポートしている。

また5G対応は、具体的には「5G RedCap(Reduced Capability)」に準拠しているという。この規格は従来の5G NRと比べてデバイスの小型化、低消費電力化、低コスト化の実現を目的としたものだ。

これら変更の一環として、今後のApple Watch搭載モデムはインテル製からMediaTek製に切り替えるとのこと。iPhone 16eではアップル自社設計モデムチップ「C1」が採用されたが、スマートウォッチへの搭載は先となるようだ。

今回の報道は、昨年末にGurman氏が述べていたことの再確認でもある。もしも実現すれば、Apple Watch Ultra 3は冒険家やダイバーなど電波の圏外で活躍する人々の安全をさらに手堅く保証するようになり、また通常の利用でも通信が速く、バッテリー寿命が長くなると期待できるだろう。

かたや、以前「Apple Watch SE 3」はプラスチック製となってコストダウンを図ると報じられていたが、現在では「深刻な危機」に瀕しているという。

Gurman氏によれば、設計チームは見た目が気に入らず、オペレーションチームは現在のアルミニウム製シャーシよりもケーシングを安価にすることが難しいと感じているとのこと。

かつてiPhone 5cもプラスチック製筐体を採用し、鮮やかなカラーバリエーションが話題を呼んでいた。しかし、市場での人気は限定的であり、その後のモデルはプラスチック製の筐体は採用されず金属やガラス製に戻っていた。Apple Watch SE開発チームも、そんな過去を振り返っているのかもしれない。

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