ビデオ通話も技術的には難しくなさそう
「カメラ内蔵Apple Watch」アップルが開発中か

アップルはApple WatchをAI搭載のウェアラブル機器とするため、カメラを搭載した将来バージョンに取り組んでいると著名ジャーナリストが主張している。
同社の内情に精通するBloombergのMark Gurman記者によると、これによりApple Watchは「外の世界」を見られるようになるという。主に、iPhone 16シリーズに初導入されたAI機能「ビジュアルインテリジェンス」と歩調を合わせるとのことだ。
ビジュアルインテリジェンスは、デバイスのカメラを通じて周囲のモノや場所に関する情報を瞬時に取得できるものだ。たとえば目の前にあるレストランにカメラを向けると、営業時間や料理メニュー、予約オプションなどが表示される。今のところiPhone 16シリーズ以外は使えないが、来月のiOS 18.4ではiPhone 15 Proにも提供される見通しだ。
現在ビジュアルインテリジェンスは、ChatGPTやGoogleに大きく依存している。だがGurman氏によると、アップルやいずれ自社のAIモデルに移行したいと考えているという。
さらには「将来のデバイスの中核」に据える構想を抱いており、その中には数か月前に報じられたカメラ搭載AirPodsも含まれているとのことだ。Gurman氏は、カメラ搭載AirPodsは一度は開発中止されたが、AIが主軸になるに伴ってプロジェクトが復活したと述べていた。
カメラ付きApple Watchの開発は、標準モデルとUltraモデルの両方で進んでいるという。標準モデルでは、カメラはiPhoneと同じくディスプレイ内に配置するとのこと。これがアンダーディスプレイとなるのか、あるいはカメラ用にノッチ(切り欠き)を設けるのかは不明である。
かたやUltraモデルでは、側面のデジタルクラウンとサイドボタンの近くに配置する予定とされている。より分厚いUltraでは、内部スペースに余裕があるためだろう。実際の運用では、Ultraユーザーはスキャンしたいものに腕を向けるだけで済むが、標準モデルでは手首をひっくり返す必要があるというわけだ。
Gurman氏は、これらカメラがFaceTimeもサポートすることを「願っている」が、画面が小さすぎてビデオ会議が快適とは言いがたく、手首を長時間掲げ続けるのは辛そうで、現実的ではないとのこと。ただし、FaceTimeをwatchOS上で動かすことは、技術的には大きなハードルではないと述べられている。
これら開発中のモデルは、カメラ付きAirPodsの噂とともに、2027年までは発売されないとの予想だ。実際に発売されるかどうかは、アップルのAIチームが問題を解決できるかどうかにかかっているとされる。同チームは最近、社内で再編されたと報じられていた。