性能アップは小幅、バッテリー持ちは良くなりそう
2026年の「iPhone 18」シリーズは全モデルが2nmチップ搭載か

2026年の「iPhone 18」シリーズに搭載される「A20」チップは、TSMCの2nmプロセスで製造されると著名アナリストが主張している。
アップルのサプライチェーンに精通するMing-Chi Kuo氏が、半年前の「iPhone 18には2nmチップが搭載」との予想を再確認している。
今回の発言で注目すべきは、前にあった「全てのiPhone 18モデルに2nm搭載されない可能性がある」との但し書きがなくなっていることだ。つまり、iPhone 18シリーズのうちProモデルに限らず、全モデルに2nmチップが搭載されると示唆しているわけだ。
毎年の新型iPhoneに最先端プロセスのチップが搭載されるかどうかは、その製造を独占するTSMCの歩留まりに大きく依存している。たとえば当初の3nmプロセスでは歩留まりの改善に苦戦したとされ、実際にiPhone 15シリーズではProモデルのみ3nmチップ「A17 Pro」を搭載していた。
一方、2nmプロセスの歩留まりは順調に上がり続けており、昨年末には60%を超えたと報じられていた。先週初めに別のアナリストJeff Pu氏も「A20チップはN2(TSMCの第1世代2nm技術)」との見解を示しており、3nmチップのままという噂は撤回された格好だ。
かたや、今年秋の「iPhone 18」シリーズに搭載される「A19」チップはN3P(TSMCの第3世代3nm技術)で製造される見通しは、複数の情報源が一致している。
A20が2nmチップになることは、3nmチップよりも性能と電力効率が大幅に改善されることを意味している。N2はトランジスタ密度が15%向上しており、具体的にはN3E(N3Pの前身)よりも最大15%高速で、最大30%電力効率が向上する見込みだと報告されていた。
現行および予想されているAシリーズチップの概要は次の通りだ
• A17 Proチップ:3nm(TSMCの第1世代3nmプロセス「N3B」)
• A18およびA18 Proチップ:3nm(第2世代3nmプロセス「N3E」)
• A19およびA19 Proチップ:3nm(第3世代3nmプロセス「N3P」)
• A20およびA20 Proチップ:2nm(第1世代2nmプロセス「N2」)
なお、ここでいう○nmは実際の測定値ではなく、単なるTSMCのマーケティング用語に過ぎないことを留意されたい。かつてはMOSトランジスタのゲート長など物理的な寸法を指していたが、製造技術が進歩するにつれ、単一の寸法だけでプロセスの進化を表現することが難しくなっているためだ。より小さい数字は「競合他社より進んでいる」印象を与える以上のものではない。
- Source: Ming-Chi Kuo(X)
- via: MacRumors