高い強度と耐久性を有する新素材
折りたたみiPhone、画面のシワ軽減や耐久性向上のためヒンジに新素材を採用か

アップルが今後数年以内に初の折りたたみ式iPhoneを発売するとの噂が相次ぐなか、同社が諸々の問題を解決するため、ヒンジ(折りたたみ軸)に「Liquidmetal」を採用すると著名アナリストが主張している。
同社のサプライチェーンに精通するMing-Chi Kuo氏によれば、アップルは折りたたみiPhoneの設計において、「耐久性の向上、画面の平坦性の強化、折り目の最小化」に重点を置いているという。そのため、ヒンジなどの主要部品には、ダイキャストプロセス(高温で溶かした金属を高圧で金型に注入する方法)を用いたLiquidmetalが使用される予定とのことだ。
ここでいうLiquidmetalとは、常温で液体となる液体金属ではなく、米国のLiquidmetal Technologies社が特許を持つアモルファス金属合金だろう。Kuo氏はアップルが長年にわたって使ってきたとして、一例にSIM取り出しピンを挙げているが、実際にアップルは2010年にLiquidmetalを製品に使う権利を取得している 。
この素材は高い強度と耐久性を持ち、ガラスに似た原子構造を有している。見た目はステンレススチールに似ており、傷や腐食に強い特徴がある。まさにスマートフォン向きといえるが、これまでアップルは小型の部品にしか採用したことがなく、Kuo氏は「初めて主要な機械パーツとして」使うことになると指摘している。
さらに、Liquidmetalの独占サプライヤーは中国のEonTec(東莞宜安科技)になるという。Kuo氏は、Androidスマートフォンメーカーも折りたたみiPhoneに対抗するため、ヒンジにLiquidmetalを採用するケースが増え、市場の急成長が促進されると予想している。
これまでの報道によれば、折りたたみiPhoneは展開時に7.8インチのメインディスプレイ、5.5インチの外部ディスプレイを搭載する見通しである。サムスンのGalaxy Z Foldのような横折りのブックスタイルとなり、クラムシェル型ではない。
また、背面カメラが2つ、前面カメラが1つ、電源ボタンにTouch IDが内蔵される可能性がある。折りたたみ時の厚さは9mmから9.5mm、展開時は4.5mmと予想されている。量産開始は2026年第4四半期とされており、2026年後半から2027年前半に発売される可能性がある。
なお、折りたたみiPhoneの価格は2300ドル、つまりiPhone 16 Pro Maxの約2倍になるとの予測もある。これが本当であれば、iPhone史上最も高価なモデルとなる。
- Source: Ming-Chi Kuo(X)
- via: MacRumors