やっと帰れます

10日の予定が9か月に。「スターライナー」飛行士がISSからやっと帰還へ

Image:NASA

昨年6月に、ボーイングの宇宙船「CST-100 Starliner(スターライナー)」初の有人飛行に搭乗したブッチ・ウィルモア飛行士とスニータ・ウィリアムズ飛行士が、ISSから今日、帰還の途につく。当初10日間の予定が9か月の長期滞在になっていた。

2人が搭乗するCrew Dragon(クルードラゴン)宇宙船は、日本時間3月18日午後2時5分にISSとのドッキングを解除する。そして3月19日午前5時45分に地上へ降下するための操作を行い、午前6時56分ごろにフロリダ沖に着水する予定だ。ただ、この計画は宇宙船の準備や、地上の回収チームの準備、天候、波の状況などさまざまな要因に左右されるため、予定どおりに実行できるかは確定していない。特に、正確な着水位置は帰還時刻が近づいたら、改めて確認される。

ウィルモア飛行士とウィリアムズ飛行士は、予定どおりなら昨年6月に10日ほどの滞在でISSを離れて帰還するはずだった。だがスターライナーにスラスターやヘリウム漏れのトラブルが発生し、その原因特定や再発防止策を講じることが困難であったため、NASAとボーイングは安全な帰還を担保できないと判断してスターライナーを無人で帰還させることにした。そして残された2人は、代わりの宇宙船がISSに到着するまで、そのままISSで第72次 長期滞在ミッションに参加することになった。

今回の帰還は、昨年9月下旬にISSに到着したSpaceXのクルードラゴン宇宙船を使用し、これに乗ってISSへやってきた第72次長期滞在クルーのニック・ヘイグ飛行士、アレクサンドル・ゴルブノフ飛行士を合わせた4人で行われる。記事執筆時点で、すでに飛行士たちは宇宙船への搭乗を済ませ、ISSからの分離を待っている状態。行程が予定どおりに進み、何事もなく帰還できることを祈るばかりだ。

ちなみに、先日ISSに到着した第73次長期滞在クルーには、ミッションスペシャリストとして日本の大西卓哉飛行士が含まれている。同飛行士にとっては2度目のISS長期滞在であり、今後約半年にわたって、軌道上で様々な科学実験を行う予定だ。

2025/03/18 13:45 に公開予定

2025/03/19 5:45 に公開予定

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