チート対策がネック

SteamOSがまもなくデスクトップPCに対応か。インテルやNVIDIA製チップのサポートも改善

Image:Rokas Tenys/Shutterstock.com

Valveが開発したLinuxベースのOS「SteamOS」は、Steamプラットフォーム上のゲームを快適に動作させることに特化している。同社のSteam Deckに続き、他社の携帯ゲーミングPCにも展開予定だが、最終的にはデスクトップPCに対応する可能性が浮上している。

XR(拡張現実)業界のプロジェクトマネージャーであるBrad Lynch(X上では@SadlyItsBradley)氏は、SteamOSが「まもなく一般公開される」と述べている。ValveはXRヘッドセット業界の一角を占めているため、Lynch氏も同社の情報を追跡・分析し続けている。

スレッド内では、ValveがSteamOSの一般公開に向けて多数のコミットをプッシュしていることや、それに伴いデスクトップモードのUIが改善されていることが語られており、確実に進展していることが示唆されている。

ValveのSteam Deckが成功を収めていることや、Lenovo Legion Go Sでの公式搭載を考えれば、デスクトップへの展開はそれほど驚くことではない。SteamOSはバックグラウンドプロセスが少なく、リソース消費が抑えられるため、同じゲームでもWindowsより滑らかに動作する傾向がある。

しかし、デスクトップPCで動作させる上で、インテル製CPUとNVIDIA GPUへの対応が課題となっていた。ValveはSteam Deckの開発においてAMDと緊密に協力し、カスタムチップセットを共同開発した。そのため、SteamOSではAMDのグラフィックスドライバーとの統合が優先され、それ以外の対応が遅れた経緯がある。SteamOS開発者のひとりであるPierre-Loup Griffais氏も、「Steam Deckの発売により、特定のハードウェア構成に集中する必要があった」と説明している

しかし、現在ではインテル製チップのサポートが改善され、NVIDIA GPUのサポートも追加されつつあるという。さらに、一般ユーザー向けの使いやすいインストーラーも開発中で、これによりSteamOSを誰でも簡単にインストールできるようになる見通しだ。

Steam Deck対応ゲームは着実に増えているものの、超人気タイトル『Fortnite』はアクセスが禁じられている。Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは、SteamOSを含むLinux環境ではチートの検出が非常に難しく、対策コストが「比較的小規模なプラットフォーム」に見合わないと示唆していた。しかし、SteamOSが多くのデスクトップ環境に対応すれば、将来的にはアンチチートを必須とするタイトルもプレイ可能になるかもしれない。

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