サウジアラビアの国策の一環かも

『ポケモンGO』のNiantic、ゲーム部門をモバイル大手Scopelyに約4700億円で売却

Image:Scopely

Niantic Labsは、ゲーム部門をモバイル大手のScopelyに35億ドル8約4725億円)で売却すると発表した。締結された契約には、『ポケモンGO』『ピクミンブルーム』『モンスターハンターNow』の運営および、ゲーム開発に関わっていた全従業員の移籍が含まれる。

同社は今後、CEO兼創設者のジョン・ハンケ氏が率いる新会社「Niantic Spatial」を通じて、人間や機械がその情報を理解できるようにする「第3世代のデジタルマップ」構築を目指すと述べている。新会社には、Nianticから2億ドル、Scopelyから5,000万ドルの合計2億5,000万ドルの現金注入を受ける予定だという。

ハンケ氏は「Nianticのゲームは常に人々をつなぎ、探求を刺激する架け橋だった。彼らがScopelyの一部として、その役割を引き続き果たすと確信している」と述べた。また、「このパートナーシップはプレイヤーにとって素晴らしいものであり、我々のゲームが将来の世代に残る “永遠のゲーム” になるために必要な長期的サポートと投資を確保する最良の方法だと固く信じている」と語った。

一方、ScopelyもNianticのゲーム、アプリ、およびライブイベントを引き継ぎ、その精神を忠実に守り続けると述べている。同社は『MONOPOLY GO!』や『Stumble Guys』などの人気タイトルを制作しているが、Nianticのゲームに関する今後のロードマップについては言及していない。

また、Niantic初のゲーム『Ingress』の改良版『Ingress Prime』およびペットシミュレーターゲーム『Peridot』は、Niantic Spatialの下で引き続き運営されるとのことだ。

『ポケモンGO』は最初の1年で5億人以上のプレイヤーを獲得したが、2020年に世界的な新型コロナ禍による外出禁止令が発せられたことで打撃を受けた。それ以来、同社は複数のプロジェクトを中止し、2022年〜2023年にかけて数百人の従業員を解雇している

今回の発表は、サウジアラビアの政府系PIF(Public Investment Fund)がゲーム業界への進出を拡大する動きの一環でもある。Scopelyも、PIFの子会社であるサビー・ゲームズ・グループが保有する企業の一つだ。

PIFは、任天堂、アクティビジョン・ブリザード、エレクトロニック・アーツの株式も取得しており、ビデオゲーム産業への投資を通じてサウジ経済を多様化し、石油依存からの脱却を目指す国家的な取り組みの一環とみられている。

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