「Ring Battery Doorbell」が発売
Ringの新ドアベルは「日本を非常に意識」。担当者が語る“マグネット式”採用の理由

Amazonは同社のRingブランドより、2つのセキュリティカメラ(防犯カメラ)を先月20日に発表した。カメラ付きのドアベル「Ring Battery Doorbell」はすでに販売開始。もう一つの屋外セキュリティカメラ「Ring Outdoor Cam Plus」は4月15日の発売を予定している。3月10日、都内でメディア向け体験会が実施された。
Ring Battery Doorbellは、上下左右150度の広角カメラを搭載する、バッテリー搭載のカメラ付きドアベルだ。価格は14,980円(税込)。1440×1440pの画質に対応しているほか、夜間でもカラーで記録できるカラーナイトビジョンも利用できる。前機種にあたるモデルは日本未展開で、既発売の「Ring Battery Doorbell Plus」とは併売する。

またRing Outdoor Cam Plusは、2Kの映像記録に対応することで、従来機から画質を高めたモデル。価格は12,980円(税込)で、バッテリーモデルと電源アダプターモデルの2種類から選べる。“街頭程度のわずかな明かり”でもクリアに映し出すという、ローライトサイト技術を搭載する。

両モデルとも、モーション検知、リアルタイム通知、ライブ映像確認、訪問者との双方向音声通話といった、Ringシリーズ共通の機能を搭載する。また、有料のRing Homeプランに加入することで、最大180日間のクラウド保存、24時間365日の連続録画、人物・荷物検知のスマートアラートなども利用できるようになる(内容はプランによって異なる)。
Ring Battery Doorbellは、日本のマーケットを非常に意識した製品とのこと。同社の瀬口雄介氏(Sr. Product Manager GTM, Japan Ring インターナショナルセールス&マーケティング)は、「日本の環境にあった取り付け方法の提供」を実現するために試行錯誤が行われ、それがマグネット式によって設置を簡単にさせたことだという。日本先行で開発されたものが海外でも導入されているそうだ。
従来の同社ドアベル製品は、充電のために一度ネジを外して取り外す必要があり、その手間が課題となっていた。新製品ではマグネットで外すだけで、すぐ充電することが可能。バッテリーは内蔵式だが、裏面のUSB Type-C端子から手軽に充電できるようにした。

瀬口氏は日本ではドアに化粧鋼板が使われることが多いため、多くのドアにマグネットがくっつくと話す。さらにドアクローザーがついているため、ドアの閉じるスピードが調整され、扉が強く閉まってドアベルが落ちる心配も少ないそうだ。ちなみにドアクローザーがついている理由は、海外のドアは内開き、日本では靴を脱ぐスペースのために外開きが多いからとのこと。

一方で簡単に取り外すことができるため、盗難についても配慮しているという。ひとつはAmazonの強みであるクラウドで、盗難直前の映像も残すことができること。そしてMACアドレスをRingアカウントと紐づけることで、他のユーザーによるセットアップに対して警告を出せるようにしている。なお、Ringは全製品に盗難補償(盗難されても同等品をプレゼント)が用意されているが、日本では2022年の上陸から一度も申請がないそうだ。
もう一つのOutdoor Cam Plusについても、日本マーケット向けに設計された部分があるという。それが取り付けるためのポールマウント。従来はクランプが右手側にあるため、ポールの裏側にスペースがない場合、取り付けることが出来なかったという。本体のスタンドについても「(高いところに付ける場合に)下に振れるようにしてほしい」という意見を反映させたとのこと。

またポールマウントには、柱やあまどいなどに固定するためのメタルバンドが付属している。海外では1種類のみが付属するが、日本では細いものに取り付ける場合が多いと想定し、より短いバンドを含めた2種類を付属させたという。

Ringは事業開始から10年、日本上陸からは3年になる。同社のMark Fletcher氏(Managing Director, APAC Ring インターナショナルセールス&マーケティング)は、「ドアベルはRingのルーツであり、ここからイノベーションがスタートした」と語る。当時はユーザーの安心安全の実現が目標だったが、それからユーザーの価値観も変わっていき、今では「日々の生活をより豊かなものにしてより改善していくもの」「それをいろいろな側面でサポートできるもの」を目指しているそうだ。
