全部AIでやるわけではありません

Amazon Prime VideoがAI支援の吹き替えを試験導入。これまで吹き替え未提供だった英語・スペイン語タイトルに

Image:Amazon

Amazonが、プライム会員向けに提供している動画ストリーミングサービスAmazon Prime Videoを対象に、通常は吹き替えが行われないような映画やシリーズに対し、AI支援による吹き替えの提供を試験的に開始すると発表した。

説明によると、これは翻訳の専門家がAIと連携して品質管理を確実に行う、いわばハイブリッドな吹き替えのアプローチだ。AI支援の翻訳プロセスに、適度な人間の専門知識を取り入れることで、ユーザーに提供できていなかったタイトルにも品質を保ちつつ吹き替えが提供できる。

Prime Videoは、まずはこれまで吹き替えがなかった作品12タイトルを対象に、英語と中南米スペイン語のAI支援吹き替えを提供する。そのなかには『El Cid: La Leyenda』、『Mi Mamá Lora』、『Long Lost』などが含まれるとのことだ。

吹き替えにAI支援を導入するのは、コンテンツを幅広く視聴者に見てもらうための施策として、Prime Video以外のストリーミングサービスでも行われているという。たとえばAI支援吹き替えを専門とする企業Deepdubは、Paramount+にサービスを提供している。YouTubeも自動吹き替え機能の提供を開始しており、クリエイター作成コンテンツに複数言語への吹き替えを提供している。

Prime Videoではこれまで、吹き替えではないものの聞き取りにくい会話音声の明瞭度を向上させる「Dialogue Boost」や、シーズンやエピソード全体を要約する「X-Ray Recaps」といった機能にAIを使用してきた。

Prime Videoは「どこに住んでいても、できるだけ多くの映画やシリーズを快適に楽しめるよう、より多くの言語オプションを提供することに尽力」していくと述べている。

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