ノートPCも折りたたみの時代になる?

二つ折り画面搭載ノートPC「Lenovo Flip」発表。13インチから縦長18インチに瞬時展開

Image:Lenovo

レノボは、コンパクトな13インチサイズのノートPCに、大きく展開できる二つ折りのディスプレイを搭載した「ThinkBook Flip AI PC Proof of concept」を発表した。これはレノボが1月のCESで発表した引き出し拡張式ディスプレイ搭載の「ThinkBook Plus Gen 6 Rollable AI PC」の兄弟コンセプトと言えそうだ。

引き出し拡張式ディスプレイのThingBookは発売が予定されているが、今回発表されたFlipは、あくまでまだコンセプトの段階であることに注意が必要だ。

Lenovo ThinkBook Flipコンセプトは、折りたたみ可能なOLEDディスプレイを備えたノートPCで、完全に展開すれば、その画面サイズは縦長の18.1インチになる(ThinkBook Rollableは16.7インチ)。

スクリーンはユーザー側から見て背面側に折りたたむようになっており、畳めばユーザーの側と、対面の相手側にディスプレイがそれぞれひとつずつ向いて表示される格好になる。その状態からノートPCをしまうために手前に画面を倒すと、今度はノートPCの天板側に背面ディスプレイが来て、タブレット型PCとして利用することも可能になる。

Image:Lenovo

スマートフォン分野だけでなく、ノートPCでも最近は折りたたみディスプレイを備えたモデルが(コンセプトモデルでは特に)増えつつあるが、このサイズの折りたたみ式スクリーンをノートパソコンに搭載するのは珍しい。実際に製品化するには、ヒンジやディスプレイスクリーンの耐久性なども重要になる。

まず、これほど高い画面を備えたシステムの場合、ヒンジだけでディスプレイを安定させるのは難しい。キーボードを叩いたり、タッチパッドを軽くタップしただけでも、おそらくパネル全体がぐらぐらと揺れてしまうだろう。公式のプロモーション画像には、下側のディスプレイの背面に折りたたみ式のスタンドのような物も見られるが、それでも上側のディスプレイを固定するには、まだ補強が必要になりそうな気はする。

Flipには、ディスプレイだけではなく「Smart FortcePad」と呼ばれるカスタマイズ可能なディスプレイ機能付きタッチパッドも注目ポイントのひとつとして搭載されている。基本的にはタッチパッドそのものだが、そのエリアを9つに区切り、いくつかのカスタマイズ項目やアイコン表示機能を追加できる。とはいえ、似たような機能は過去に他のメーカーの製品にもあったので、ディスプレイほどの驚きはないかもしれない。

PCスペック的には、Intel Core Ultra 7プロセッサー、32GB LPDDR5X RAM、PCIe SSDストレージの搭載により、PCとして平均以上のパフォーマンスは確保していると考えられる。外部インターフェースにはThunderbolt 4、セキュリティ機能として指紋リーダーも備えている。

レノボはFlipによって「多用途でAIを活用したハイブリッド作業環境の未来を垣間見ることができる」と述べている。レノボはこれまでにもたくさんの奇抜とも言えるコンセプトモデルを発表し、そのうちの一部は実際に製品化もしてきたため、今回のモデルも近い将来に製品として再びアナウンスされることに期待したいところだ。

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