ドローンというより「新しいカメラ」
自撮りがもっと楽しく! AIカメラドローン「HOVERAir X1 Smart」、試してわかった“使いこなし術”

ドローンと聞くと、広大な空を飛び回る野外用の撮影機材というイメージを持つ者が多いかもしれない。しかし現在、その常識を覆す新しいドローンが登場している。
それが「HOVERAir X1 Smart」だ。手のひらに収まるコンパクトなサイズながら、AIによる高度な自動追尾機能を搭載し、自撮り撮影を得意とするドローンである。
許可不要で飛ばせる99gドローン
筆者は兼ねてからガジェット好きであり、特に仕事柄、手軽に撮影できるアクションカメラやアクセサリーを好んで使っている。だが、これまでドローンを欲しいと思ったことはなかった。
その理由は、ドローン撮影には資格や申請が必要で、飛ばせる場所も限られると思い込んでいたから。自分が持っていても使い道を想定できず、所有したい気持ちになれなかった。そんな中、出会ったのがHOVERAir X1 Smartである。

本体は手のひらに収まるほど小さいのに、作りは頑丈で精巧だ。重さは99gと、わずかに100gを切っている。日本国内の航空法において、100g未満のドローンは免許、機体登録、飛行申請が不要。つまり「買ってすぐ飛ばせるドローン」がHOVERAir X1 Smartなのだ。
操作が簡単!知識ゼロでも飛ばせる親切設計
「買ってすぐ飛ばせる」と聞いても、筆者はラジコンを動かしたことすらなく「なんとなく怖い」「墜落させてしまいそう」と不安になった。しかしHOVERAir X1 Smartでは、そんな心配は不要だ。
スマートフォンに専用アプリをインストール、起動してHOVERAir X1 Smartと接続してみると、親切でポップなチュートリアルが用意されていた。初心者でもワンボタンでスタートでき、カメラ操作や飛行調整に戸惑うこともない。
飛行モードには、俯瞰撮影・ストップモーション・ズームアウトなどがあり、難しいことを考えず、自分の撮りたい絵を撮影できる。さらに、マニュアル操作は「自動操縦」を5回経験するまではロックされているため、慣れないうちに誤ってぶつけてしまう心配がないのも親切だ。
ドローン撮影の最初の壁は “操縦が難しそう” という気持ちだろう。それをチュートリアルでクリアにさせて、実際の使い方も学ばせてくれる。まさに、革命児と言えるかもしれない。

離陸・着陸の操作も非常に簡単だ。電源を入れたら手のひらの上に載せて、モードを選んでボタンを押すだけで自動的に離陸。顔認識をしながらホバリングを開始する。コンパクトながらプロペラの風量は充分で、安定性の証とも言えるだろう。
プロペラはしっかり覆われているため安全性が高いし、ドローンに触るのが怖いという感覚もない。着陸時は本体の下側に手のひらを差し出すだけで、手のひらの上に着陸してくれる。小ささも相まって、可愛い生き物のようだ。

グループセルフィーでいつもと違う瞬間を切り取る
実際に、レギュラー出演しているラジオ局のスタジオで撮影を試みた。スタジオ内は狭い空間で機材が多い環境だったが、周囲にぶつかることなく撮影できた。
このスタジオで13年ほど収録を行っているが、普段とは異なる視点でメンバー全員のセルフィ動画や写真を撮影できて、良い記念になった。撮影中も「生き物みたいでかわいい!」「歩くとついてくるんだね」と好感触だ。

HOVERAir X1 Smartによって会話が増えて、自然で笑顔の動画と写真が撮影できた。従来のセルフィースティックとは異なり、自由に角度や距離を調整できるし、ユニークな映像表現が可能なので、コンテンツクリエイターにもオススメしたい。
ちなみに、カメラのスペックは2.7K/30fps(動画)/12MP(静止画)。バッテリー1本あたりの連続飛行時間は10分で、フル充電には55分を要する。10分でも十分に使用できるが、よりしっかり撮影したいなら、予備バッテリーと充電器を用意しても良いかもしれない。
また、機体が軽いため圧力で歪んでしまわないよう、持ち運びはある程度硬めのケースに収納するのが良いだろう。純正ケース(税込6,980円)なら各種アクセサリーと一緒でもコンパクトに収納できるので、カバン内の場所を取らないのも良い。

従来のカメラマンによる撮影では実現しづらい大規模な集合写真も、HOVERAir X1 Smartなら簡単に実現できるだろう。また、企業のSNSプロモーションにも活用できそうだ。イベントや製品プロモーションの際に、目を引く映像を簡単に撮影できるのは大きなメリットだろう。
さらに、結婚式など特別な日の撮影での使用も考えられる。新郎新婦とゲスト全員を同時に撮影できるため、従来の集合写真とは異なるダイナミックな構図で記録を残せる。特に、庭園やビーチでのウェディングでは、開放感のある映像を撮影できるだろう。
ドローンの飛行が許可されている場所であれば、旅先でのVlog撮影にも使ってみたい。自動追尾撮影を利用すれば、バッテリーが続く限り、自分の顔を認識して追いかけてきてくれる。海辺を散策する様子を撮影するのも面白そうだ。

筆者はイベント制作会社も経営しているが、この業界でもHOVERAir X1 Smartは画期的なツールになると思う。たとえば、500人規模のイベントで全員を収めたセルフィー撮影ができれば、参加者全員の一体感を演出できる。
また、イベントのロケーションハンティングにも便利に使えそうだ。HOVERAir X1 Smartで俯瞰写真を撮影することで、会場のレイアウトや人の動線を直感的に把握できる。特に広大な屋外イベントや複数エリアに分かれた会場で動画を撮影しておけば、事前のシミュレーションにも役立つ。

HOVERAir X1 Smartは、「ドローンは自分には関係ない」と思っていた人にこそ使ってほしいガジェットである。筆者にとっても、実は初めて「ちゃんと欲しくなったドローン」だ。
というより、これはドローンというより「新しいカメラ」と言ったほうがしっくりくる。何より、持ち運んでも重くないのが良い。普段の荷物に加えても負担にならず、どこへでも気軽に持ち歩ける。
特に日常生活の中で、特別な準備や大掛かりな機材なしで手軽にプロ並みの映像・写真を撮影できる点が大きな魅力だ。ドローンだからと気負わず、ぜひ手に入れて、毎日の “非日常” 撮影を楽しんでみてほしい。
(提供:ZEROZERO ROBOTICS)