ただし、パフォーマンスは「o3-mini」ほどではないとも

「GPT-4.5」リリース。OpenAIいわく“最大かつ最も知識豊富“なモデル

Image:Tada Images/Shutterstock

OpenAIは、最新のAIモデルとなる「GPT-4.5」をリリースした。このバージョンは「これまでで最大かつ最も知識豊富なモデル」だとしつつも、研究プレビュー用とうたわれており、o1やo3-miniほどのパフォーマンスを発揮しない可能性があるという。

OpenAIはほかにも、GPT-4.5が「以前のモデルよりも洗練された個性」を備えていると述べているが、OpenAIが「フロンティアモデル」と呼ぶほどではないとのことだ。それでも「OpenAI最大のLLMであり、GPT-4の計算効率を 10倍以上に向上させている」ことは、以前に流出した社内文書に記されている。

OpenAIはGPT-4.5を 「教師あり微調整(SFT)や人間がフィードバックを行う強化学習(RLHF)のような、伝統的な手法と組み合わせた新しい監視技術を使用して、GPT-4oに使用されたものと同様に訓練した」と述べている。そして、GPT-4.5はいくつか制限付きながらGPT-4oよりも幻覚を起こす頻度がはるかに少なく、o1と比べてもわずかに少ないとした。

OpenAIの研究者であるラファエル・ゴンティジョ・ロペス氏は、「GPT-4.5をより優れたコラボレーターになるよう調整し、会話をより温かく、より直感的で、感情的なニュアンスに富んだものにしました」と述べた。そして「これを測定するために、人間のテスターに​​GPT-4oと比較して評価してもらったが、GPT-4.5は基本的にすべての評価項目で優れた成績を収めた」とした。

OpenAIの広報は「GPT-4.5を研究プレビューとして公開するのは、その長所と限界をより深く理解するため」だと述べている。そして「我々はまだ、それに何ができるかを研究しているところだが、人々がそれを予想もしなかった方法でどのように使うのかを見るのが楽しみだ」と述べている。

OpenAIの共同設立者で元主任科学者のイリヤ・サツケバー氏は昨年12月、現在の大規模言語モデル(LLM)は「データのピークに達した」と述べ、「われわれが知っている事前トレーニングは間違いなく終わるだろう」と発言している。

事前トレーニングの限界に対処するため、OpenAIを含むAI業界では、最近推論モデルを積極的に採用している。推論モデルは非推論モデルよりもタスクの実行に時間がかかる一方で、回答の一貫性が高くなる傾向を持つ。AI推論モデルが問題を「考える」ために使用する時間と計算能力を増やせば、モデルの能力を大幅に向上させられるとAI業界は考えている模様だ。

OpenAIの有料アクセスプランであるChatGPT Proに加入していれば、研究プレビューの一環として、ChatGPTからGPT-4.5を利用することができる。OpenAI APIの有料プランに入っている開発者も、同様にGPT-4.5を利用できるようになる。その他のChatGPTユーザーは、 ChatGPT PlusおよびChatGPT Team登録のユーザーの場合は来週中にモデルを使えるようになるという。

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