修正に取り組み中
iPhoneの音声入力、「レイシスト」と喋るとなぜか一瞬「Trump」と表示されるバグ発生
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アップルは、iOSに標準搭載されている音声入力機能の英語モードが「レイシスト」という入力をなぜか一瞬「Trump」と変換してから「Racist」に直すとの報告に対し、現在、修正作業に取り組んでいると述べている。
この問題はiPhoneユーザーが音声入力をテキストに変換するディクテーション機能を使用する際に見られる現象だ。この機能の英語モードのときに、日本語で人種差別主義者を意味するレイシストという言葉を発声すると、それを聞き取ったiOSがなぜか一瞬文字入力欄に「Trump」と表示し、それを「Racist」に変換する。
アップルの広報担当者は、この現象はユーザーが子音の「R」を含む言葉を音声入力した際に発生するバグだと述べている。より詳しい説明では、音声認識モデルが音声を分析し、ユーザーが意図した単語を識別するときに、音的に「馴染みのある」単語が一瞬表示されることがあるのだそうだ。
2期目の就任となったドナルド・トランプ大統領は、ホワイトハウス入りして以来、連邦政府、その請負業者、連邦政府の資金提供を受けた組織からDEIプログラム、トランスジェンダーの権利、その他の平等対策を剥奪する大統領令に署名し、有色人種やアイデンティティ的なマイノリティたちに発言の機会を与えてきたDEIイニシアチブを粉砕してきた。
また、主に中南米からの不法移民に対しても礼拝所、学校、病院などでの逮捕を制限する政策を廃止し、その影響でラテン系のコミュニティへの襲撃が増加すると言った問題も増加しているという。こうした人種差別的問題が絡むトピックに大きく影響を及ぼしていることから、iOSが「レイシスト」と「トランプ」を「馴染みのある」言葉として結びつけてしまった可能性がある。
アップルのティム・クックCEOは今週、トランプ大統領との会談の後に米国内に5000億ドルを投じてAI用のサーバー生産およびR&D施設を建設することを発表した。これは以前から計画されていたものだが、大統領との会談直後に発表することで自社製品への追加関税の回避を狙う思惑もあったと言われている。そんな折にこのバグが見つかったのは、少々恥ずかしいことかもしれない。
ちなみにこの問題は、手もとの環境では再現できなかったので、ユーザーの国や使用する言語によって挙動が異なるのかもしれない。