バック・トゥ・ザ・フューチャーっぽい
まるでSF映画。Alefの「空飛ぶクルマ」が目の前のクルマを飛び越す動画

空飛ぶクルマ(Flying Car)を開発するベンチャー企業はたくさんあるが、そのほとんどはマルチローターeVTOLを開発しており、本当に空を飛ぶ(Flying)クルマ(Car)を作っている企業は少ない。
その数少ない空飛ぶクルマを開発しているベンチャー企業のひとつが、Alef Aeronauticsだ。Alefは先日、カリフォルニアの住宅地を走行する電気自動車が、停まっている自動車の後ろについたかと思えば、そのまま浮上して上空を飛び越え、前に降りる一連の様子を収めた動画を公開した。

これは、Alefが2022年に「Model A」と呼ばれる空飛ぶクルマのプロトタイプを発表した際にCGで作成したコンセプトビデオの一部を、現実世界で再現したものだ。
もちろん、撮影時は道路を封鎖して安全を確保して行われているが、それまでのAlefの動画はプロトタイプが係留した状態で浮上するものや、実環境とはかけ離れた滑走路上で撮られたものばかりだったことを考えると、CGでしかできなかった映像が実際に再現されていることに驚く。なんだか古いSF映画を観ているような気にさせられる。
2022年の発表当時、AlefはオールエレクトリックのModel Aが最大220マイル(約354km)走行し、110マイル(約177km)の飛行が可能だと主張した。CGで作られた映像のように、本当に空飛ぶ自動車が実現すると思った人はどれぐらいいただろうか。
だが、それから8か月後には、Alefは連邦航空局(FAA)から空飛ぶクルマとしては初の特別耐空証明証を取得しModel Aは航空機としても認められた。さらに、Alefは自動車ディーラーを通じて、航空機を予約販売した最初の企業にもなった。
現在Alefは、ボーイングやエアバスなど航空大手に部品供給をしているPUCARA AeroやMYCといった企業と量産に向けた契約を締結しており、今年後半にはModel Aの量産を開始する計画を立てている。

Model Aの価格は30万ドル前後からとなっているが、現在までに予約は3300台に達している。予約はAlefのウェブサイトで150ドルの予約金とともに受け付けているが、1500ドルを支払うことで納車順を優先的に早くすることもできるという。
Alefはすでに空飛ぶクルマの2車種目(2機種目?)となる「Model Z」の開発も進めており、こちらは3万5000ドルという低価格で2035年に発売することを計画しているという。